「幹線道路沿いで営業している路面店の時代ではない」とかつてジャスコ(現イオン)岡田卓也前社長は語り、モール型ショッピングセンターの時代が日本にも来ると予想した。その言葉通りイオンは現在、積極的にSCの開発を進めている。
●昨年は国内で79件のSCが開業し、東京や埼玉に大型SCが出店するケースが目立った。今年も2月末から宮城県に「ダイヤモンドシティ・エアリ」を始め、3月には愛知県に「ミッドランドスクエア」、千葉県に「流山おおたかの森SC」、神奈川県に「ららぽーと横浜」、東京・六本木に「東京ミッドタウン」などが開業。4月以降も随時SCが出店する予定だ。そんな中、大和ハウス工業は来春、つくばエクスプレス沿線駅前に開業予定の「つくばSC」(仮称)の計画を見直した。出店予定地周辺に競合する商業施設が開業してくるため、開店当初の店舗面積を10%ほど削減し、ライバル店の動向を見ながら随時増床していく方針に切り替えた。明らかにSC同士の競合が激化している証拠だ。
●SCの開業が盛んだからといって、路面店が集合して1つの商業集積となるケースがなくなった訳ではない。埼玉県熊谷市・籠原地区に昨年12月、「ヤオコー籠原店」がオープンした。隣にマミーマートの「生鮮市場TOP籠原店」があり、その周辺には「サンドラッグ」や「マツモトキヨシ」、しまむらが展開する衣料の「アベイル」と雑貨の「シャンブル」、ゲームセンターや書店、飲食店が営業する。
●「ヤオコー籠原店」周辺にはマミーマートの他、「とりせん籠原店」、「ベルクかごはら南店」、「ベルク玉井店」、「フレッセイフォリオ籠原店」、「食彩館マルシェ籠原店」、「まつしまストアー」といったSMが競合している。明らかにオーバーストア。生き残るための激しい競争を繰り広げている。
独自経営貫きライフスタイルアソートメント型スーパーマーケットづくりに専念
ヤオコー・川野 幸夫 社長
鮮魚と青果を強化するディスカウントSM
・カスミ FOOD OFFストッカー牛久柏田店
マミーマートの隣に出店。互いに顧客争奪戦を演じる
・ヤオコー籠原店
ベイシア生鮮食品事業部 石井大樹惣菜チーフバイヤー
演出とプロモーションが課題
女性は産む機械
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