現在、広く普及しているバーコードのように、電子タグが使われるようになれば、流通業は確実に革新される。もちろん非接触型で情報を受配信できる電子タグは従来の接触型のバーコードとは比較にならないほど、大量の情報を瞬時に受配信可能となるため、物流作業は大幅に改善できるメリットがある。
●2月21日に稼動を開始した埼玉県所沢市の「エコス所沢物流センター」は、国から補助金を半分出してもらい、5,000万円の投資をかけて電子タグの実験を開始する。実験期間は3月1日〜31日までだが、4月以降も継続して電子タグは使用する。同センターはエコスの既存物流センターの運営を手懸けているグルメンに委託。電子タグなどシステム開発は日立製作所のWMS及びRFIDシステムを採用した。
●当面、従来の物流センターで外部流出することが多かったカゴ台車の紛失防止に力を入れる。カゴ台車は通常1センターで年間1,000台紛失。全体の7〜8%の割合で紛失しているという。カゴ台車の単価は1万〜1万5,000円であるため、年間1,000万〜1,500万円のコスト負担となる計算だ。一方、電子タグの単価は現在300〜500円だが、今回日立製作所は200円の単価で提供。
●昨年8月に稼動開始した西友の三郷物流センターは東京ドームに匹敵する規模。敷地面積3万9,000u、延床面積4万6,000uと巨大。3階建てでラインは全て自動化され、1日に25万ケースの出荷が可能。だが、まだ電子タグは使用されていないらしく、経済産業省の担当者によると、大手流通企業は電子タグの単価が高いといってなかなか導入に踏み出さないとこぼす。いずれにしても、まだ電子タグそのものが一般に普及していないため、価格は高止まり。広く普及すれば単価5円以下に下がると言われている。
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