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No.450-4/23

百貨店が郊外型SCの中に
デパ地下特化型店舗を相次いで出店

No.450号

高島屋、大丸、三越といえば日本の老舗百貨店として知名度は抜群。その包装紙の威力は依然として顕在であり、相手先に送るギフトとしては最適と今でも思われている。ただし、業績の方はバブル崩壊後、芳しくない。最近は伊勢丹や東急百貨店の業務提携、大丸と松坂屋、阪急百貨店と阪神百貨店の経営統合などが話題となっている始末だ。衣料品が売れない時代となっている今、百貨店が食の専門店を郊外型SCの中に出店するケースが増えてきている。


流通業界再編として今、激しく揺れ動いているのが百貨店業界だ。これまで都心部の駅前に年間売上1,000億円を目標とする基幹店を建てて何十年に渡って営業してきたが、多くの客が郊外に開業したSCに奪われ、百貨店業界の売上はバブル以前と比べ年間1兆円以上も減少してしまった。


◇…若い客層が来ない、衣料品や住居関連品が売れないなど、明るい話題が少ない業界。苦し紛れのようにも見えるのが、老舗百貨店同士の経営統合や業務提携だ。阪急百貨店と阪神百貨店、大丸と松坂屋、伊勢丹と東急百貨店など、このところ話題にこと欠かない。特徴のない百貨店同士が一緒になって何のメリットがあるのかという批判がある。時代の流れから半ば取り残されてしまった百貨店が生き残るにはこの方法しかないという意見もある。


◇…最近、郊外型SCの中に百貨店が出店するケースが増えてきた。特に目立つのは食に特化したデパ地下型専門店を導入した店。衣料品や住居関連品は他の大型専門店に任せて、食品だけを取り扱う。もちろん年商目標は20〜40億円と従来型の百貨店に比べると明らかに小さな規模となる。


◇…既に島屋は「流山おおたかの森S・C」の中に「フードメゾン」と名付け、大丸は「ららぽーと横浜」に「フードマーケット」として、それぞれ1号店をオープンしている。今秋には大丸は埼玉県の浦和パルコ内に2号店、島屋は来年JR新横浜駅ビル内に2号店をオープンする予定。今後、百貨店がこういった食に特化した専門店を多店舗化できるかどうかは、1、2号店の成功次第だ。新たな市場の開拓が、どうしても必要不可欠となっている百貨店が、第2のコア事業として育成したいという考えは当然なこと。数年前からデパ地下ブームが起きているが、その波に乗っていけるのかどうか?


今週の目次




SJ新店レポート

初の駅前小型店舗を出店
-大丸ピーコック東池袋店
1.6倍の売場規模でSC内に移転新築
-マスダ並木店
1年振りの出店を静岡県富士市に
-ユーストア中里店


関幸雄の流通コラム 流通戦略アドバイザー

新入社員が夢と目標を持てる企業にすることが大前提


今週の業界トピックス

イオン NBとPBのグループ共通会社を5月21日設立
訃報 オオゼキ佐藤会長が死去


今週の開店情報一覧


2007年度上期 イオン国内子会社の開店予定店舗


森永乳業のマーケティング戦略

井上邦昭専務に聞く
差別化商品の開発と育成で売上の拡大図る


大塚ベバレジの<水>新戦略

ウォーターフォーラム21設立
市場創造の具体的切り口提示による売りの創出


食品マーケティング

冷食・上期、新商品の手応えは?
-アクリフーズ、自然解凍「6つのなごみ小鉢」好調
業務向けでコロッケ商戦
-ニチレイ、ニチロ、味の素、サンマルコなど


今週の大店立地法公示速報


東洋の名言


交差点

見直し策の原点は何か



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