原油価格の高騰に伴う輸送費や製造コスト、包装資材の上昇により、原材料価格がアップしている。バブル崩壊以降、小売各社は消費者心理の冷え込みを懸念し、これまで商品の販売価格を据え置くか、または値下げする、いわゆるデフレスパイラルの役割を担ってきた。ただ、メーカー各社の体力も既に限界に達してきており、小売企業へ供給する商品の卸値を引き上げざるを得ない状況が差し迫っている。
●小売側の対策として、ストアブランドという形で、PBを開発して販売する傾向が強まっている。そんな中、セブン&アイ・ホールディングスは5月23日から、グループとしては初めてのオリジナルブランド「セブンプレミアム」を発売。傘下のイトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークマート、シェルガーデンの4社合計388店で飲料や菓子、調味料など49アイテムを販売開始した。6月からは順次、商品アイテム数を増やし、初年度で約300アイテムの発売を予定。計画では3年後の2010年度には取り扱いを1,000〜1,200アイテムへと拡大し、グループの加工食品・デイリー食品部門の年間売上高1.8兆円のうちオリジナル商品で15〜20%のシェアを見込む。
●PB商品の開発・販売で先行しているイオンの「トップバリュ」は2006年度で2,200億円に達したが、2010年度に3.4倍の7,500億円の売上を目指す。ベルクやカスミ、いなげやといった関東のSMチェーンと資本・業務提携し「トップバリュ」の販売網を増やしているが、今後はダイエーやマルエツとの共同開発・販売も検討。グループシナジーをより強固な形とするため、イオンはグループの商品・物流機能を分社化し、8月21日からイオントップバリュ梶Aイオン商品調達梶AイオングローカルSCM鰍営業開始する。バイイングパワーを活用して、消費者の生活を支える戦略だ。
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