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No.458-6/25

巨龍・中国に挑む「日本の龍」。
イオンが明らかにした大出店構想

No.458号

「環境や安全を無視して、公害をばらまく」として、日本では風当たりの強い中国。積極的な出店やM&Aで、瞬く間に巨大化したイオングループがアジア戦略の核として、この巨龍に挑んでいる。同社がモットーにする「環境や健康」がここでは大きなウリになる。幹部が明らかにした出店構想は、向こう5年間で北京や天津の北部の大都市から沿岸地域にかけて大型SCを中心に100店舗を面展開するという壮大なものだ。今年2月には南部の広東省・順徳に大型店を出店。香港のほか、深?でもSMを展開しており、先行しているカルフールなどの欧米勢を追撃するのも間近の情勢だ=写真はいずれも順徳SCで6月16日撮影。
外観写真はイオン提供。


●イオンが香港に進出したのは20年前のことだ。当時はヤオハンや大丸、三越などの“先行組”を追い掛ける形だった。20年を経て一部を除いて、ほとんどの企業が“討ち死に”。残るイオンだけが拡大路線を歩み出す皮肉な結果になった。


●15日には、香港の事業展開20周年を記念するパーティが市内のホテルに700人を集めて開かれた。また16日には同市郊外の森林公園で植樹祭も開催された。昨年、山火事で消失した山林に2万本を植える大規模なものだ。これらの催しには日本からは岡田卓也名誉会長をはじめ、元也社長夫妻、中国担当の幹部が勢ぞろいし、中国市場にかけるイオンの並々ならない意欲を見せていた。今年80歳の岡田卓也名誉会長は、植樹祭のあいさつの中で、「水と緑のないところは衰退する。10年前から日中の環境フォーラムを手掛け、万里の長城に植樹してきた。ようやく環境問題が世に認められて来た」と振り返った。


●田中秋人中国総代表らによると、「100店舗のうち約半数がRSCで、10万uクラスの旗艦店も北京、天津から沿岸外縁部の主要都市に10店舗計画している」とスケールは壮大だ。中国では独自仕入れなど現地化を積極的に推し進め、気をはくカルフール(中国名、家楽福)。思うほど出店スピードがないものの地力で勝るウォルマート(同、沃尓瑪)といった欧米勢が幅を利かせている。北京と四川省の成都で日本流のスーパーを展開するイトーヨーカドーも独自の戦いぶりを見せている。スポーツの向こうを張って、すでに「国際流通オリンピック」が中国全土で展開されている。


●イオンは来年8月の北京オリンピックの開幕に合わせて、同市西北部で延床面積15万uにおよぶモール型の「イオン北京国際商城SC(仮称)」を建設中だ。「環境と安全」がウリのSCになる。駐車場が8,000台もあり、本格的なモータリゼーションが始まったばかりの首都・北京で、日本の流通業の実力を世界中にアピールできるまたとないチャンスがやって来た。  (次号以降に、「イオンが挑む「巨龍・中国」を掲載」)


今週の目次




SJ新店レポート

単独GMSから一挙RSCに拡張して活性化
 ロックシティ館山ショッピングセンター
6年振りにGMSを都内に出店
 河辺とうきゅう


SJ決算レポート 生協篇

06年度の店舗供給高9,995億円、
96年度対比で17.4%減
 店舗事業は人件費など経費がかさみ、赤字構造が続く


今週の業界トピックス

万代 前期決算で売上高2,000億円突破、感謝と連帯の集い開催


今週の開店情報一覧


関幸雄の流通コラム 流通戦略アドバイザー

 SMも研究開発に注力する時代。夢のある企業作りを


人気上昇!ベルギービール 小西酒造が銀座でキャンペーン

主力のヒューガルデン・ホワイトなど9品が手応え
 年間実績は売れ筋増加で前年比128%と驚異的伸びを持続


企業動向

日本アクセス、今19年度に西野合併で1兆円台超す


今週の大店立地法公示速報


東洋の名言


交差点

試食難民と伊勢丹の挑戦



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