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No.459-7/2

個配事業が急成長中の生協。
店舗事業は赤字構造からの脱却が最重要課題だ
(写真はイメージで、黒字店も掲載)

No.459号

老朽化し、競争力を失った地域生協の店舗が数多く存在している。地域に住む組合員に気を遣い過ぎ、赤字が継続化しているにもかかわらず閉鎖することができなかった生協の店は、SMチェーンとの 競合で赤字額は増え続ける一方。店舗改革は生協の最優先の問題であり、積極的にスクラップ&ビルドを実施して、既存店の活性化も図らなくては生き残れない。


生協全体の業績は無店舗事業の伸びによって増収増益。だが、店舗事業は依然として赤字を克服することができない。日本国内は超有力な小売企業の寡占化が進んでいる。生協の改革とチェーン ストアの寡占化のスピードとどちらが速いか。各生協の今後の対応次第にかかっている。欧州の生協は大手小売企業に負けてしまった現実がある。生協の世帯加入率という足し算によって実体のない 数字が一人歩きしてしまったのが要因の一つ。日本の生協では事業連帯という形で連携していくことで実体化を目指す。


●経営再建中のコープさっぽろはリストラの一環としてスクラップ&ビルドを進めた結果、イオンやアークスグループといった店舗との競合に打ち勝ち、店舗事業を復活させた。最近ではメーカーや卸に 店舗のPOSデータを開示して売場や商品政策上の提案を取引先から受けて効果を発揮し、コープこうべでも同様の内容を今年1月からスタートしている。


●店舗改革が最優先の生協。全国619生協のうち158が地域生協だが、店舗事業が黒字の生協は少なく、多くの生協は経常剰余率がマイナス。地域生協の2006年度の総供給高は前期比2.1%増の2兆 5,726億円。プラスの要因は、10年ほど前から積極的に取組んでいる個人別宅配事業の拡大によるもの。一方、生協の専売特許といえる協同購入は前年割れを続けている。かつて1兆2,000億円を超えていた店舗事業もついに1兆円を割ってしまった。


●生協の総店舗数1,077店のうち半分以上は1,000u以下の小型店。周辺にSMチェーンが出店してくると、急速に損益構造が悪化する。生協の店舗の販管費は26〜27%と高く、通常のSMチェーンでは21%であるため勝負にならない。黒字化の見込めない赤字店は閉め、新店を作っていくことは、小売店の宿命。これが出来なければ店は陳腐化するだけ。いずれにしてもこれからが生協の正念場だ。


今週の目次




SJ現地レポート イオンが挑む巨龍・中国(上)

広州・仏山市に2月オープンの順徳SCは、車社会到来を見越したモデル店だ
 イオン順徳SC


SJ新店レポート

生協撤退跡活用して神奈川県へ再出店
 エコス城山店


マネージャーのためのヒューマンマネジメント論48小澤信夫

新人の定着と教育のための『刷りこみ効果』『刻印づけ』


SJ決算レポート 生協篇(下)

11生協中6生協は店舗売上が前年割れ
 個配の急成長で総供給高は7割強がプラス


今週の開店情報一覧


今週の業界トピックス

日本生活協同組合連合会 新会長に山下副会長が昇格
ロック開発 来期開店予定の4SC、11月までに着工予定
SJ・店づくり公開研究シリーズ第7回セミナー開催
 チェーンストアにおける『環境問題』を考える


水のマーケティング戦略 Water Forum21

ドラッグストアを活性化して水の情報発信を強化
 生活者に新たなライフスタイルを提案する大塚べバレジ


新商品とキャンペーン

オエノン・森永乳業・明治乳業


企業動向

昭和産業 トップ交代の多角化企業昭和産業を取り巻く今


食品マーケティング

植物性の新加工食品は安定成長するのか?
 発芽胚芽米、大豆胚芽からの胚芽パウダー 輸入大豆VS国産生米
 植物性乳酸菌の新たな戦い カゴメVSデルモンテ


今週の大店立地法公示速報


東洋の名言


交差点

夏には欠かせない衛生管理


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