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No.463-7/30

「断水の街」では、生活用水の確保と
トイレの問題が最重要課題だった

No.463号

「3年前に大きい地震があったから、もう来ないと思っていた」――誰もがそう信じていた中越地方。 新潟県柏崎市を中心にした震度6強の大きな揺れは、スーパーにも大きな被害をもたらした。震災当日は安全確認や片付けのため 店内営業を断念した店舗が多かったが、店頭で水やおにぎり、即席めん、日用品などを販売した。断水が続く中で、鮮魚以外は各社とも素早い復旧を見せ、ライフラインの一翼を担う業態であることを被災住民に強く印象付けた。
現地では生活用水の確保とトイレの問題が最重要の課題だった。


◇…地震発生の7月16日(月)は海の日で祝日。夏休み前の3連休最後の日の午前10時13分だった。一部では、倒れてきた商品で腕を切ったり、ねんざする人もいたと報道されたが、開店直後だったので、お客が少なかったのが幸いした。当日がいわゆる紋日(もんび)で、店長以下、従業員が全員出勤態勢の日だったのも、復旧作業がスムーズに進んだ一因になっている。


◇…チェーンストア大手のイオン、イトーヨーカ堂はそれぞれ被災地に水、おにぎりなど、当面必要な物資を柏崎市などに送った。市庁舎の裏の普段は公用車などが入る屋根付きの同駐車場では、市職員やボランティアの女性が救援物資の仕分けや、発送に追われていた。


◇…救援物資は水が一番多く、個数ではおにぎりがそれに次いでいる。ただ、柏崎市は人口9.5万人の小都市とはいえ、分散した避難所などへの供給は容易ではない。保管場所に冷蔵設備がないので、おにぎりなどはすぐに消費期限が来てしまい、廃棄されるケースを見掛けた。また、冷凍食品を送ってくるメーカーもあり、保管場所で“自然解凍”。やむなく、ボランティアに持ち帰ってもらっていた。


◇…店舗が開いていると、ほとんどの人はトイレを利用する。駐車場に仮設トイレを提供した店舗、確保した生活用水でバケツに水を用意し、使用した人がトイレを流してもらうようにしたところもあった。阪神大震災以降、水やおにぎりといった口に入るものは確保できるようになった。だが、“出る方”の準備はお粗末で、今後の大きな課題になる。


今週の目次




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