現在、原材料コストの上昇と円安の影響で、多くの製品価格は上昇する気配を見せている。一方、国内で暮らす生活者の多くは定率減税廃止などに伴う税負担の増加によって、価格への関心が一層シビアになってきている。低迷を続ける個人消費が伸びる可能性は極めて低い。
●そんな中、イオンは他社に先駆けて8月7日から、NB商品約100アイテムの価格を凍結すると宣言した。同社は現状を「消費者の生活を守る小売業が、その力を発揮しなければならない」真価を問われる時と分析。スケールメリットを活かしたサプライチェーンマネジメント改革で、EDLPを実現できると強調し、今回の取り組みは「生活応援宣言」の一環として開始した。今年12月末までジャスコなど直営約380店で実施し、グループ会社も順次、同様の企画を展開する予定。
●イオンが今年8月に本社と幕張メッセで開催したトップバリュ展示会にはグループ23社を含め約1万人以上が来場。試食・試飲などの商品説明や陳列方法、販売計画の説明を行った。「PB比率40〜45%のイギリス・テスコのPBはNBよりも売れている」とイオントップバリュ朝長哲社長。「シェアが高まることでよりよい商品をお客様に提供できる」と語る。現在グループで最も「トップバリュ」のシェアが高いのはマックスバリュ中部で11%。昨年、イオンと業務・資本提携したベルクも導入に積極的で現状7%に達しているとイオン側は説明する。
●「トップバリュ」の年間売上高は今2,200億円だが、2010年までには7,500億円に拡大する計画。アイテム数も3,600を5,000〜6,000に増やす。いずれにしてもお客様にわかりやすく説明することが重要なポイント。イオンでは購入頻度が高い商品を選び、「トップバリュ」とNBの店頭価格の差を明記したボードを作成。「トップバリュ」を購入すると食品中心の主要32品目で月間30.6%の節約になるという試算を出した。
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