◇…都内での出店ニュースばかりで、大阪北部の箕面外院店以来、5年も関西での開店がなかった大丸ピーコック。JR福島駅の北東、徒歩5分の12階建ての商業ビルの1階に居抜き出店したものだが、百貨店系のスーパーらしく、商品のこだわり具合や提供方法はあか抜けている。高級スーパー特有のよそよそしさはなく「デパ地下」がそのまま引っ越してきたような雰囲気がウリだ。
◇…プレオープンの8日はまず、10時からメーカーや卸を対象にした内覧会を開催、背広族がぐるりと店舗を取り囲んだ。1時間後にハガキ持参の近隣の人たちが、ほぼ全品1割引の店内の買い物を楽しんだ。9日は朝10時に開店。植島店長以下3人の社員が店外に並んだ長い行列のお客さんにあいさつ。「大阪市内初の街なかスーパーとしてオープンできた喜びと地域密着の決意」を表明した。
◇…西井敏郎社長は関西出店がストップしていたことについて、「政策的なものではなく、たまたま物件がなかっただけだ」という。08年2月には新神戸駅前に、新千里西町と福島区の阪大跡には4月に700uの小型店を出店する。「出店予定はこれ以外にもある。住居地区とオフィスがミックスした西梅田店は我々にとってチャレンジでもあり、楽しみにしている。大丸ピーコックの第1号店は大阪郊外の香里園だが、メインは首都圏だ。都会のセンスと都市生活をサポートできる店舗展開は、大阪・神戸の地でも受け入れられるはず」と都心部での急速出店に意欲的だ。
◇…店舗の北向かいには、目下大阪市内で最も高層のマンション、50階建ての「シティタワー西梅田」がそびえている。8割方の320戸が入居しているが、固定客として見込めるのは大きい。昼間はコンビニ弁当に飽きたオフィス需要を当て込む。北東700mにある単独店のビバ以外に競合はない恵まれた立地だが、逆に土日対策が課題となる。来年9月、松坂屋ストアとの統合を控えた「クジャクの飛翔」が楽しみになってきた。(次号に詳報)
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