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No.478-11/26

商環境の変化に合わせ、既存SCを増床リニューアル
(イオンモール川口キャラ)

No.478号

11月23日、イオンモールは埼玉県川口市で7年間営業してきたイオンモール川口キャラ(旧ダイヤモンドシティ・キャラ)をリニューアルオープンした。開業当初の2000年にはまだ競合する商業施設が周辺に少なかった。その後、競合店が数多く出店してきたため、現在は2000年度よりも客数と売上高が10%ほどダウンしてしまったそうだ。今回の活性化のポイントは、商圏を絞り込んでもやっていけるようにしたこと。特に30代女性のファッションと美にフォーカスしたという。


イオンモールはグループのダイヤモンドシティと統合した8月21日以降、既存SCの活性化に積極的に取り組んでいる。11月23日には東京都日の出町に「イオンモール日の出」を開業したが、同じ日に千葉県印西市の「イオンモール千葉ニュータウン」と埼玉県川口市の「イオンモール川口キャラ」を増床リニューアルオープンした。


2000年11月に開業した「イオンモール川口キャラ」の近くには1984年以来営業している「イオンモール川口グリーンシティ」がある(両SCともダイヤモンドシティが開発した物件)。競合するSCとして現在、イトーヨーカ堂の「アリオ川口」を含め周辺に多数の商業施設が存在する。「イオンモール川口キャラの開業当時は競争のない状態で、大宮や春日部からも客が来ていたが、開業から7年が経過し商環境が大きく変化した」とイオンモール西尾徹二常務取締役・SC営業本部長。だが、「もともと商圏人口の多いエリア。今回の活性化にあたって商圏を絞り込んで深くというのがポイント」と強調する。


増床リニューアル部分はコアターゲットの30〜32歳の女性に支持されるよう工夫を凝らした。行列で有名な「クリスピー・クリーム・ドーナツ」やマイナス9℃に冷やした石の上でアイスクリームとフルーツ・ナッツを混ぜ合わせる「コールド・ストーン・クリーマリー」を1階に出店させた。2階は30代女性のニーズに応えたレディスアパレルショップやスパーゾーンなど「美・健康・癒し」のフロア。3階は地域ナンバー1のキッズゾーンを展開する。


駐車場だったところに、新たに商業棟を建築し、既存の商業施設とつなげた。以前は敷地面積4万9,997u、延床面積10万2,204u、建築面積2万7,758uだったが、敷地で6万2,567uとし、延床13万3,810u、建築3万5,916uに増床。「開業時に比べ売上は10%ほど落ちているが、当初のレベルに引き戻すのが目標。現在、平日で1万6,000人、日祝日で3万3,000人の1日の客数を、平日2万人、日祝日5万人に増やす計画」という。


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