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No.483-1/7

大規模な再開発が進む大阪中心部。
「関西復権」担う都心スーパーの“新しいモデル”

No.483号

2008年、新しい年が明けた。平成の元号になって、もう20年にもなる。バブル経済の崩壊から20年といってもいいだろう。しかし、ようやくにしてか、関西、特に大阪の中心部で大規模な再開発が進行中で、「関西復権」は、本物のように見える。人口が戻ってきた都心部に足りないのは、食をまかなうスーパーだ。08年はどの社が、どんな新しいタイプの店舗を提供してくれるのだろうか。


再開発は「関西復権」の象徴だ イオンが子会社化した「KOHYO」に、カギが潜む


JR大阪駅の北側に広がっていた「梅田貨物駅」。駅前に残された一等地が再開発の真っ最中だ。「梅田北ヤード」の工事区では、クレーンが林立し、休日でも工事が続けられている。ビジネスの中心地・中之島でも京阪電車の延伸が秋にも実現する。それに合わせて、オフィスビルが数多く建てられ、50階以上の高層マンションも続々と生まれている。展望の良さを売り物にした“億ション”もあり、団塊世代や30〜40代のリッチな層を中心に「即日完売」に近い物件もある。


通勤に便利で、学校や病院も近い。高齢者や子育て世代に人気があるのも、こうしたインフラが整っているのが背景にある。また、人口の都心回帰につきものなのが、食をまかなうスーパーが周辺にどれだけあるかだ。毎日の買い物が「デパ地下」では不経済だし、「コンビニ」では、価格や品揃えに難がある。高級感だけが売り物でない新しい「都市型の食品スーパー」はできないものだろうか。


その意味で、昨年末にイオンが鮮魚に定評がある準高級スーパー「KOHYO」(社名は光洋)を子会社化したのは、食品スーパーの“新しい動き”を予感させる。値上げ攻勢をカバーするPB、一味違った生鮮や惣菜。新都市住民のニーズを満足させる店舗を出店してほしいものだ。


首都圏・東京の一極集中が頂点に達し、流通業界を巡るニュースも「東京発信」が当たり前になっている。だが、何事も一ところに集まれば、弊害が生じる。京都や奈良を控え、2000年の文化と歴史を持つ地域「関西」。先人がたどってきた足跡を生かす時がきた。「東西同時発信」――ストアジャパン社は、バランスが取れた「2核」報道を心掛けたい。引き続き、ご愛読のほどを。


今週の目次




2008年 小売3団体トップの年頭メッセージ

日本チェーンストア協会 会長 林 紀男 氏
日本スーパーマーケット協会 会長 清水 信次 氏
社団法人 日本フランチャイズチェーン協会 会長 加藤 充 氏


今週の開店情報一覧


SJトップインタビュー

再び怒涛の出店で2011年度250店体制に
 働き甲斐のある会社づくりに邁進
  ライフコーポレーション社長 岩崎 高治 氏


長期的展望で増収増益を継続化

今後ベストオブクオリティ必要
 サミット社長 田尻 一 氏


SJ新店レポート

関西色を全面に打ち出し、ヨソにない親しみがあふれた店舗に
 オークワ・愛西プラザ店
4店目の高質SM結婚式場に隣接して営業開始
 京王ストア・キッチンコート東中野店


チェーンストア・コンビニ11月度販売概況

後半、気温下がり食品堅調に推移
 SMは4ヵ月連続で既存店プラス、GMSの食品も健闘


クレーム・トラブル対応と解決のコツ5小澤信夫

最初の一歩、初期対応の要領と取り組み姿勢


業界展望

2008年、CVSを取り巻く商環境は波乱の船出! !


食品マーケティング

業務用スーパーに見る中国産食品の近況
 昨夏ピークの不安風評も業務用に大きな変化なし?
 (ミホウジャパンのIchiba!!、ハナマサ)


今週の大店立地法公示速報


交差点

状況変化が万人を直撃



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