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No.490-2/25

冬の時代へと向かうディスカウントストア業界。
果たして生き残るのはどこか

No.490号

「メタミドホスにジクロルボス」日ごろは聞きなれない有機リン系農薬の名前が日本国中を駆け巡った。「この製品は大丈夫か?」事件発生直後から大阪市天王寺区の市立環境科学研究所には、市販用や業務用の冷凍ギョーザや体調不良を訴えた市民から保健所経由で持ち込まれた45の検体が検査にかけられた=写真。業務用のギョーザ2検体から、微量のメタミドホスが検出されたが、肝心の真相は中国相手で、やぶの中。風評被害も深刻だ。


茨城県水戸市のカスミ「フード オフ ストッカー常澄店」では、キャベツ、ニラ、皮とひき肉を平台に並べた「手作り餃子」コーナーが人気を集めている 


「日ごろは食品衛生法に基づいて保健所がスーパーなどに立ち入り、商品を回収して行う収去(しゅうきょ)検査が大半だ。通常は3人当てるが、今回は食品担当17人の職員が休日返上で取り組んでいる」(森義明同研究所・食品保健担当課長)という。こうした大量の検査は、堺市で発生したO−157、雪印食品事件以来、5年ぶりのことだ。


スーパーや生協の店頭から該当商品が消え、冷凍食品を購入するお客の大半がパッケージを裏返して、原産国名や賞味期限をチェックする光景が当たり前になった。大阪では、天洋食品から業務用の冷凍食品を輸入する中小の業者も多く、返品の山に頭を抱えている。ある食品スーパーではギョーザに「これは大阪製です」というPOPを掲げた。街の中華料理店でも「当店はすべて手づくりです」と張り紙を出すなど、風評にストップがかかる日を待ちわびている。


冷凍食品を敬遠し、「手づくりでギョーザを作る家庭が増えてきた」流れをくんで、素材を販売するところが増えてきた。具を包んで焼くだけで手軽にギョーザを楽しめるパックを売り出したスーパーは都下・三多摩地区で食品スーパーをドミナント展開する「さえき」だ。2月19日から販売した「餃子セット」の中身は国産豚ひき肉と野菜が入った具が400g、ギョーザの皮25枚、ギョーザのたれが2個入って、598円。月間2,000セットの販売を目標にする


原因が何か分からぬまま「政治決着」しそうなこの事件で、改めて気付かされたのが、日本の食生活が中国の製品なしでは成り立たない厳然とした事実だ。ブームにもなった「食育」だが、子どもたちにスーパー業界が取り組む食の安全性への取り組みなどを、店舗で実際に勉強してもらい、食品業界の現状を理解してもらうことも忘れてはならない。


今週の目次




チェーンストアの危機管理対策(4)

企業理念を実現 イオンが取り組む「防災対策」とは(上)
 支援を続ける原点 まずは「お客さまのために」が核に


SJ新店レポート

東京青山発と神戸初のアイテムを揃えた「都市型モデル店舗」
 大丸ピーコック新神戸店
DSに転換し、広域から客を取り込む
 カスミ・FOOD OFFストッカー常澄店
居抜き以外の新店を横浜・みなとみらい地区に初出店
 テスコエクスプレスみなとみらい店


流通業界版「間違った日本語」・その33
(株)島田研究室・代表 島田陽介

「味」1


今週の開店情報一覧


今週の業界トピックス

西友 既存店売上は再びマイナスに
九九プラス ローソンとの統一PB「バリューライン」発売
マックスバリュ北海道 子会社のジョイを吸収合併
全国中小小売商団体連絡会 第12回全国中小小売商サミットを開催


関幸雄の流通コラム 流通戦略アドバイザー

人財づくりの第一はプラス発想の人間にすること


市場活性化へ春の新商品 明治乳業の市乳部門

カロリーカットとカルシウム摂取の無脂肪乳を発売


食品マーケティング

菱食、08年「ソリューションフェア・東京」での訴求
アクリフーズ、米飯、ピザに活!入れる
ニチロ、マルハ本社へ大移動〜3月17日頃終了か


企業動向

日本MC、08年春季はメグミルク牛乳や恵でTV宣伝も


今週の大店立地法公示速報


交差点

謎めく中国製・冷凍ギョウザ事件



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