積雪1mにも耐えられる太陽電池セル
開店時に植樹された木々も生長し、エコストアにふさわしい環境が整った恵比須店
使用開始された同システムは縦129cm、横99cmの白板強化ガラス製・太陽電池モジュール336枚が使われている。設置面積は432uと小型SMの売場面積に匹敵。恵比須店の場合、受けた太陽光で60kwhの発電能力があるが、8割方の50kwhも行けば上々という。それでも、一般家庭向けの発電量15〜20軒分に相当する。
太陽電池セルを48枚合わせたモジュール1枚の重さは15.5kg。加重に耐えないといけないので、2006年に建て替えられた恵比須店などが選ばれた。直流で発電されたあとパワーコンディショナーで交流に変換、受電盤につなげる。ここからバックヤードの業務用冷凍庫に電力が供給される仕組みだが、電力のやり取りが発生するため、関西電力との連係も必要だ。
システムを導入したのは京セラ。稼動開始に立ち会った同社岡山店の王前雅之氏は、「発電に最適な時期は晴天が多い4〜5月だ。少雨温暖な気候がいいので、愛媛、岡山など果物の産地が適している」という。その意味では「環瀬戸内スーパー」を掲げるマックスバリュ西日本に最適のシステムかも知れない。「一般家庭向けに強いシャープさんに比べ、公共・産業用ではウチがトップ」と胸を張る王前氏。スーパーでの実績を引っ提げ、営業をかける。
「エコストア」の先頭を走るマックスバリュ西日本としても、PR活動はこれからだ。地味なディスプレイ表示にならざるを得ないので、買い物客に気付いてもらうのも一苦労。「ちょうど、小学校3〜4年の理科や社会科授業で、太陽電池やエコ関係について学ぶので、小中学生の『見学需要』を取り込み、家庭で話題にしてもらう」(松浦振一郎・恵比須店長)。
「いったん地球上に排出されると消えることはない」と専門の学者が指摘する厄介なCO2。このシステムでは年間5万6,000kwh電力発電量があり、使用量の5%だけを削減できるに過ぎない。一方で、電力を多用する24時間営業にも力を入れる企業としては、頭の痛いことである。
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