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No.491-3/3

マックスバリュ西日本で
「太陽光発電システム」がスタート

No.491号

店舗屋上に敷き詰められた太陽電池のモジュール(パネル)で業務用冷凍庫の電力をまかなう本格的な「エコストア」が誕生した。マックスバリュ西日本が2月20日から兵庫県下・三木市の恵比須店と西脇市の西脇寺内店からスタートさせたもの。この「太陽光発電システム」は、店内入口に近いゴンドラの上に設置されたテレビモニターに日射の強さや現在の発電量、CO2(二酸化炭素)排出抑制量などが表示される=写真。設置を聞いた主婦は、「ヘぇー、そうなの」と不思議そうに画面を見上げていた。


積雪1mにも耐えられる太陽電池セル
開店時に植樹された木々も生長し、エコストアにふさわしい環境が整った恵比須店


使用開始された同システムは縦129cm、横99cmの白板強化ガラス製・太陽電池モジュール336枚が使われている。設置面積は432uと小型SMの売場面積に匹敵。恵比須店の場合、受けた太陽光で60kwhの発電能力があるが、8割方の50kwhも行けば上々という。それでも、一般家庭向けの発電量15〜20軒分に相当する。


太陽電池セルを48枚合わせたモジュール1枚の重さは15.5kg。加重に耐えないといけないので、2006年に建て替えられた恵比須店などが選ばれた。直流で発電されたあとパワーコンディショナーで交流に変換、受電盤につなげる。ここからバックヤードの業務用冷凍庫に電力が供給される仕組みだが、電力のやり取りが発生するため、関西電力との連係も必要だ。


システムを導入したのは京セラ。稼動開始に立ち会った同社岡山店の王前雅之氏は、「発電に最適な時期は晴天が多い4〜5月だ。少雨温暖な気候がいいので、愛媛、岡山など果物の産地が適している」という。その意味では「環瀬戸内スーパー」を掲げるマックスバリュ西日本に最適のシステムかも知れない。「一般家庭向けに強いシャープさんに比べ、公共・産業用ではウチがトップ」と胸を張る王前氏。スーパーでの実績を引っ提げ、営業をかける。


「エコストア」の先頭を走るマックスバリュ西日本としても、PR活動はこれからだ。地味なディスプレイ表示にならざるを得ないので、買い物客に気付いてもらうのも一苦労。「ちょうど、小学校3〜4年の理科や社会科授業で、太陽電池やエコ関係について学ぶので、小中学生の『見学需要』を取り込み、家庭で話題にしてもらう」(松浦振一郎・恵比須店長)。


「いったん地球上に排出されると消えることはない」と専門の学者が指摘する厄介なCO2。このシステムでは年間5万6,000kwh電力発電量があり、使用量の5%だけを削減できるに過ぎない。一方で、電力を多用する24時間営業にも力を入れる企業としては、頭の痛いことである。


今週の目次




SJ新店レポート

キンカ堂の元食品売場に居抜き
 フードマーケットカスミフィズ店
既存ホームセンター敷地内に出店
 ヤオコー取手戸頭店


チェーンストアの危機管理対策D

企業理念を実現 イオンが取り組む「防災対策」とは(下)
 初動態勢に全力 組織と情報を分散させないこと


今週の業界トピックス

ドン・キホーテ 買収効果で上期決算も増収増益
日本セレクト・日本調理師協会グループ 創立30周年記念特別セミナー


ターゲット戦略コーナー

健康がテーマの売場篇(上)


スーパーマーケットトレードショーで注目された今年のニューフェイス

セルフレジ、電子棚札、LEDなど新技術、続々登場


クレーム・トラブル対応と解決のコツ9小澤信夫

クレーム対応は、サービスより、ホスピタリティの気持ちで
誠実で、素早い問題解決は、お客様の満足度を大きく向上させる


チェーンスト5月期中間決算

3社とも増収減益
 コストが嵩み、営業・経常利益ともダウン


小太郎がゆく

北国礼讃〜寒いっていいものですよ


2008春の新商品

チョーヤ梅酒・大塚製薬・モランボン


食品マーケティング

冷食、惣菜へのメニュー提案(下)
 中国製造・国内輸入販売の調理冷食は混沌
業務用SM、ハナマサ一挙47店閉鎖の波紋
日清フーズ、冷凍パスタの多様化進む


企業動向

伊藤園、市場活性化で主力緑茶と野菜系などテコ入れ


今週の大店立地法公示速報


交差点

社長が辞任した首都圏のDS



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