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No.495-4/7

最新のユニバーサルデザインを導入した“集大成”店舗

No.495号

モノを売るだけの商業施設から脱し、「人と環境」に最大限に配慮したSCの出店を進めるイトーヨーカ堂の「Ario(アリオ)鳳」が3月31日、大阪府堺市西区の東急車輛・大阪製作所跡地にオープンした。 2006年12月開店の八尾に続く関西では2店舗目のArioだ。全体の売場面積は41,000uで、151の専門店を従えている。全国では7店舗目のArioとなるが、物販とサービスが5割ずつで、最新のユニバーサルデザインを導入したこれまでの“集大成”の店舗でもある。次のページに記者会見での亀井社長の発言をまとめた。


「お客さんからのクレームの大半は、エスカレーターが遅いという苦情だ」と明かした亀井社長。これまでの店舗でも分速20mを厳守しているから、全国平均以上に「いらち」な南大阪の住民にとっては、我慢できない速さに感じるかもしれない。「高齢者の転倒事故は、はっきり減っている」――数字面で表れた効果を根拠に、安全第一の初志を貫徹する。


中国の冷凍ギョーザ事件を機に、安全・安心の問題に関して、消費者の心が大きく揺れ動いている。毎日、クレームがあると、定例会議という枠などにとらわれず営業本部長の山口専務のところに皆が集まり、対応する。「こういう問題から、決して逃げない」「中国から入ってくる商品に関しては、コンテナごとに検査を実施している」と全責任を持つ決意を表明した。


原油高騰に伴う諸物価の値上げが相次ぐ中で、メーカー、物流業者、小売業の3者がチエを出し合って「セブンプレミアム」をPBの形で売っている。「生活応援価格」という形でも展開しているが、メーカーの販促費を掛けない形で、消費者に還元している。小売業として、値上げに関してはできるだけ「挑戦し続ける」とも語った。


ソーラーパネルを随所に設置し、トイレの照明にLEDを使用するなど、エコストアの先端を行く「Ario鳳」。プレオープン時には、体の不自由な人たちに店で買い物や食事をしてもらい、「私たちにとっても、優しい店です」とほめられたという。ただ、鏡面のようにピカピカの床は、水には弱い。清掃作業員も「梅雨時が心配」と話していた。人に優しい店の課題は尽きることがない。


今週の目次




SJ新店レポート

千葉県初の都市型SM、ダイエー撤退後のSCに居抜き
 イオンモリシア津田沼店
太い柱、低い天井、細長い店内 “逆転の発想“で克服
 阪急オアシス・草津店
青果とデリカで勝負に出た新生SM、「高交差主義」に力点
 ダイエー・グルメシティ住道店10


チェーンストア・コンビニ2月度販売概況

閏年で1日多く、GMS、SMほとんど既存店プラス
 気温低く、食品堅調、コンビニは伸び悩む


クレーム・トラブル対応と解決のコツ11小澤信夫

クレームは、お客様の貴重なご意見・ご要望です
受けた人は、会社を代表する気持で、謙虚な姿勢で
まず、心からお詫びすることです


今週の業界トピックス

バロー 新PBのXセレクトとXクオリティを立ち上げ
セブン&アイHD セブンプレミアム、当初計画を大幅に上回るハイペースで推移
イオン 温暖化防止宣言で、CO2 30%削減目指す
サミット 人事制度改定、労働時間、異動範囲などで社員を区分へ
東急ストア 東急電鉄の完全子会社化、上場廃止、意思決定迅速化へ

今週の開店情報一覧


企業動向

AGFが特保コーヒー追加新発売、カルピスは濃縮飲料


売場の充実がSMの命 SJパトロール隊の目

セルフだからこそ「見せる陳列、見える売場」が必要
 品揃えから陳列、売り方まで消費者の心を捕らえる店が勝つ


今週の大店立地法公示速報


交差点

桜散る?



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