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No.504-6/16

国内最大級のSC「阪急西宮ガーデンズ」
今秋オープン目指し、工事急ピッチ

No.504号

プロ野球のオールドファンには懐かしい「阪急ブレーブス(現オリックス・バッファローズ)」のホームグラウンドだった兵庫県西宮市の「阪急西宮球場」。2002年末に閉鎖された広大な跡地が、阪急百貨店とイズミヤを核にユニクロ、ロフト、インザルーム、シネコンなどの専門店で構成される国内最大級のショッピングゾーンに生まれ変わる。現場では鉄骨がほぼ組み上がり、11月ともいわれるオープンを目指し、工事が急ピッチで進められている。SC導入路に踏切があり、阪急今津線の高架化工事も急がれる。


大阪の中心部・梅田から阪急神戸線の特急に乗ると14分で西宮北口駅に到着する。駅の南東部に阪急電鉄が手掛けるSCが「阪急西宮ガーデンズ」だ。敷地は7万1,000u、延床面積は24万5,000uにおよぶ。ここに阪急百貨店が2万5,000uの中型店、スーパーのイズミヤが1万uの店舗を開設する。専門店は大小合わせて250店舗となり、賃貸面積は10万uに達する。


西宮北口周辺は大阪と神戸の中間にあり「阪神間」と称される感性の高い消費者がいる文字通り中心の地域だが、撤退したサティ以外、車社会に対応した総合的なSCはなかった。特に駅の北側は中小の市場や商店が入り乱れ、狭い道で消防車も入れないほどだった。皮肉にも13年前の阪神大震災で壊滅状態となり、震災が“再開発”を後押しした格好になった。


駐車場は3,000台。駅とは歩行者デッキで結ばれる。車と電車客を同時に集客できる地の利を生かし、初年度は2,000万人の来場者を見込んでいる。外壁の一部を緑化し、吹き抜けから自然光を取り入れる。屋上にはオープンガーデンも設け、文字通りの「庭園(ガーデン)」SCになる。館内にはNHK文化センター、隣接地には甲南大学大学院のサテライト・キャンパスも進出、モノを売るだけの空間ではないことも強調されている。


広大な商業施設は「疲れるだけ」といわれる一方で、車で親や子、祖父母までの3世代が揃って買物できるSCは「あると便利」な存在だ。最近はファッション性の高い売場ばかりできて、普通のスーパーは影を潜めている。「ええもん、安い」のイズミヤがどんな売場づくりをするのか、今から楽しみだ。


今週の目次




500号突破記念特集


本誌500号突破記念企画

食の安全・安心・安定供給に取り組むチェーンストア
 科学的検証データで賞味期限を設定
  シジシージャパン管理事業部品質保証チームリーダー 岩井 弘光 氏


SJ新店レポート

99店目は新鮮さ(差)を提供する店を目指す
 ヤオコー四街道店
生鮮3品を初導入した新業態DS
 MEGA(メガ)ドン・キホーテ厚木店
静岡県東部地区初出店、上質路線で差別化
 しずてつストア沼津駅前店


今週の業界トピックス

ベイシア 国内初のカーボンオフセット付き菓子を発売
オークワ パレを子会社化
九九プラス 新設の川越低温センターが稼動


今週の開店情報一覧


SJ企業研究 マリンゴールド

深海からの贈り物 動脈硬化に効く「身改水」にかける


月桂冠の商品戦略 広域流通部・多胡賢之部長に聞く

基本理念は世界最高品質の商品を競争力ある価格で提供すること


健康と食品を考える SJパトロール隊の目

SMの有機・無添加食品コーナーの意味するもの


業界動向

乳製品メーカーに負担増、乳価再引き上げ問題が浮上


食品マーケティング

冷食、初夏へ向けて需要復活傾向


今週の大店立地法公示速報


交差点

語り部が問う「リスク管理」



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