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No.505-6/23

中国産冷凍餃子中毒事故から学ぶ日生協。
リスクコミュニケーション強化を図り組織体制を見直した

No.505号

今年1月29日に「CO・OP手作り餃子」による中毒事故が判明して以降、 様々な対応に追われてきた日本生活協同組合連合会。人命に関る重大な中毒事故を起こし、 全生協が取り組んでいる食品の安全に対する信頼を傷つけ、コープ商品の信頼を大きく揺るがした。 例年6月に行われている日生協の通常総会が都内のホテルで開催。総会の冒頭、 山下俊史会長以下、役員全員が今回の事故について謝罪した。山下会長は 「問題は中間流通上の構造面とリスク管理の2点だった」と総括し、 「どう弱点を克服していくのか、生協の再建に向け品質保証体制の再構築を進める」と強調した。


今年1月29日に「CO・OP手作り餃子」の中毒事故を起こした、ちばコープのSM「コープ花見川」。 2006年7月18日の開店初日に取材したが、その時まさかこんなことになるとは思わなかった (同店の新店レポートの掲載は本誌同年8月14日号)。事故は突然やってくるため、 その対応は非常に難しい。リスク管理の重要性が認識された事例は、 今回に限らず過去に何度もあった。その都度、改善が図られたが、100%の信頼回復はきわめて困難だ。


「食中毒事故の影響を一番大きく受けたのは、ちばコープを含めたコープネット事業連合」 と日本生活協同組合連合会の矢野和博専務理事。全国の生協は「事故後、店舗段階では一時、 来店客数が減ったが、現在は前年並みに戻ってきた。個配や共同購入は2月、3月と 会員募集を自粛したため厳しかった。4月からは会員募集を再開したため徐々に回復している。 4〜5月は前年に比べ3〜4%の伸びを予定したが、100%の水準に留まっている」とし、 「冷凍食品の供給高はかなり落ちている」と語る。事故後、組合員の加入促進が計画通り進まず、 生協の事業・経営に大きな打撃となっている。


1年間に生協はCO・OP牛肉コロッケ「牛ひき肉原料偽装」、CO・OP鳴門産わかめの「産地偽装」と 次々と事故を起こし、CO・OP手作り餃子では人命に関る中毒事故を起こした。一連の事故によって 全生協が取り組んできた食品の安全に対する信頼が失墜した。「コープ商品は食品の安全を実現する」 という生協の姿勢そのもののシンボルとして存在してきたため、生協の組合員や社会からの期待を 裏切ったという事実を突きつけられた。


日生協では冷凍ギョーザ問題検証委員会を2月に設置し、3ヵ月間に9回の会合を行った。 そこでの提言をまとめ、工場なきブランドオーナーとして、原料調査までを含めた 情報の共有化などを推進する。「今年度はコープ商品の再構築と生協への信頼の再形成を最大課題とし、 持てる経営資源をこの課題に集中的に投入する」方針。 再構築計画に伴う日生協のコストは今年度30億円と想定している。


今週の目次




500号突破記念特集


本誌500号記念SJトップインタビュー

企業理念の浸透を大眼目に企業再生図る
 いなげや社長 遠藤 正敏 氏


SJ決算レポート(生協篇)上

07年度の店舗供給高9,938億円、96年度対比17.9%減
 店舗事業は人件費など経費改善が進まず、赤字構造


SJ新店レポート

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明確に「安全・安心・健康」MD展開
 フードマーケットカスミ八街朝日店
長崎屋柏店を業態変更し、流動客を狙う  ドン・キホーテ柏駅前店


今週の業界トピックス

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今週の開店情報一覧


ベルギービール発売20周年 飛躍へ小西酒造が再スタート

脚光浴びてGMSから下町のSMまでが積極展開


クレーム・トラブル対応と解決のコツ 16小澤信夫

お客様の自尊心を大切にすることです
人は自尊心を傷つけられることを最も嫌います


企業動向

日本アクセス、07年度連結売上高初の1兆3,000億円台


食品マーケティング

まだ伸びる「キムチ」マーケットを探る
 エバラ食品の「おいしいキムチ」2種の製法で訴求


今週の大店立地法公示速報


交差点

SCデベロッパーも生き残り合戦に



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