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No.507-7/7

これが究極の「リスク対策」。
オークワすさみ店、北に600mセットバック

No.507号

紀伊半島の南端に近い和歌山県西牟婁郡すさみ町。太平洋に面したリアス式の海岸が続く。疑似餌を踊らせ、釣り上げるカツオのケンケン漁で有名だ。オークワは6月24日、周参見(すさみ)川の河口で34年間営業していた「すさみ店」を閉鎖し、北に600m離れた山すそに28日、新「すさみ店」をオープンした。30年以内に発生が懸念される東南海・南海地震を考慮した耐震性を誇り、台風の高波や津波の直撃を受けないように移動した、究極の「リスク対策」手法に注目したい。


新大阪からJR紀勢線の特急で3時間。温泉で有名な白浜の20分先が周参見(すさみ)だ。ここまで来ると海の色は独特の青さを増し、「南紀にやって来た」という実感がある。夏の観光シーズンを前にした静かな町に、梅雨空を押し分けるように黄色いアドバルーンが2つ上がった。和歌山県を本拠とするオークワのすさみ店が新たにオープンした合図だ。


防潮堤に守られた旧店から周参見川沿いに狭い街並みを徒歩10分ほど北に抜けると、新店があった。2階建てだった旧店より若干狭く、売場面積990mの平屋建て。駐車場は62台ある。オークワ和歌山ゾーンのマネージャー松田康氏は「小商圏で競合店がないだけ、旧店の閉鎖から開店まで、3日間の休業が限度だった」と綱渡りの工期を振り返る。


スーパーは“地域の冷蔵庫代わり”――食品に特化したため、旧店ではある程度揃っていた衣料品や雑貨類が減少した。対岸にある老人福祉施設では「利用者の人が重宝していた身の回り品が減ったので、どこで買えばいいのやら」と食品の充実を喜びながらも、困惑顔だった。


いつ起こるか分からない大地震。複雑に入り込む海岸線は、津波が来たらお手上げだ。高台に上がるのが最も確実だが、土地の確保が難しい。新店の移転開店で「津波注意」の標識が立つ海岸べりからは、ある程度の距離を稼ぎ、耐震性も確保した。投資額は3.4億円。勢いのある企業だからこそできたことだが、その姿勢は大いに見習いたい。


今週の目次




SJ新店レポート

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 東急ストアフードステーション西小山店


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今週の業界トピックス

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今週の開店情報一覧


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グルメ対PBの二極化とDS・SMの棲み分け時代へ  メーカーは潮流に対応した商品開発、SMの課題は提案と説明強化


サミットのペットフードMD 浦野耕一マネジャーに聞く

「一人の顧客対応」を重視して店ごとに対応したMDの強化図る


テーマは水文化の創造 大塚ベバレジの「水」戦略

クリスタルガイザーのブランド力強化とEUの定着化 「日常の飲用から美と健康」までの提案で健全な市場形成に努力


今週の大店立地法公示速報


交差点

たかが「卵」されど「卵」



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