赤い文字で「THE PRICE」と記されたレジ袋を、自転車の前籠に入れた主婦たちが、店の駐輪場から、自宅に向かって散らばっていく。イトーヨーカ堂はディスカウントストア「ザ・プライス西新井店」を8月29日オープンした。40年間、同社が営業してきた「イトーヨーカドー西新井店」を8月24日付けで閉鎖。わずか4日間の改装工事で、新業態店をスタートさせた。周辺は東京都足立区の住宅地で、人口が密集する。店の周りの道路がかなり狭いため、自動車よりも自転車での来店を店側は薦めている。ガソリン高騰の影響もあり、開店当日は数多くの自転車による来店客が詰め掛けた。
1980年代にもイトーヨーカ堂はDS業態「ザ・プライス」を4店ほど展開しているが、1995年〜2003年にかけて全店閉鎖。一度は撤退した事業だった。当初は食品も扱っていたが、耐久消費財に限定して取り扱うようになったそうだ。今回は食品を中心に住関連品や衣料品といった、毎日のくらしに密着した生活必需品を取り扱う。通常のヨーカドーの店に比べ価格帯は1〜3割ほど安く設定し、基本的にNB商品を提供し、「セブンプレミアム」などのPBは扱わない。初年度の売上は、以前の店より10億円多い約40億円を目指す。
長崎屋は8月29日、GMSとして22年前から営業してきた北鴻巣店を総合DS「MEGAドン・キホーテ」3号店としてリニューアルオープンした。国道17号線沿いにあるロードサイド型の店舗。自動車による来店客がほとんどを占め、開店当日の夕方は750台収容可能な無料駐車場が満杯状態となった。
「MEGAドン・キホーテ北鴻巣店」は1階に生鮮食品や惣菜、日配食品、加工食品、酒類、日用消耗品、ペット用品、自転車を配置。2階では家電製品やインテリア、化粧品、カー用品、衣料品などを販売する。数量限定の格安商品を各カテゴリーに導入し、1階だけでなく2階にも多くの客が入っていた。昨今の原油や穀物の価格高騰による物価上昇で、客の節約志向が急速に高まっており、生活応援型DSに注目が集まっている。
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