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No.524-11/10

ターミナルビルをSCに仕立て直し
(アピタ名古屋空港店がオープン)

No.524号

   環境とエコロジーをテーマにした「時代の申し子」とでもいうべきSCが10月25日、名古屋にオープンした。同市の北部にある名古屋空港の旧国際線ターミナルビルを建て直すことなく再利用、商業施設に仕立て直した。核店舗はユニーのアピタで、1〜2階の8,250m²を占める。1階のインフォメーションには、国際線で使っていたフライトボードが飾られ、往時をしのばせる。係の女性の制服はキャビンアテンダント風だ。実際の発着時間もモニターで確認できる。青果と向き合う食品売場の惣菜ゾーンは、イオンと似たような感じだが、「エアフロントのSC」は日本初の試みだけに、今後が注目される。


  モールにあるベーカリー専門店など11の食物販店舗、アピタ銘店からコンセを主体にした惣菜売場までを「Windeli(風とデリカの造語)」と名付け、あらゆる食の世界を展開したのが目を引く。団塊ジュニアを主力としたターゲット層が計画通り来店してくれている。名古屋の商圏の奥深さを再認識した出店だ。


  かつて国際線エプロンがあった場所には12スクリーン、1,835席の映画館「ミッドランドシネマ」が入った。SC棟とはデッキで結ばれている。横長の建物の4階には紀伊國屋書店が中部地区最大店を出店したのをはじめ、モールには135の専門店が軒を連ねている。


  「こうしたSCは作りたくても、なかなか出来るものではない。新店並みの投資が必要だったが、ファミリー・エンターテイメント・パークというコンセプトは実現できた」とユニーの前村哲路社長は記者会見で満足げに語った。「これまで様々な形で努力し、取り組んできた“時間消費型のSC”が、図らずもできた感じだ」とも。


  ショッピングといえば母と娘という取り合わせが大半で、男の出る幕はなかったが、飛行場というベースがあれば、父と息子というパターンも浮上する。家族揃って買い物に来て、食事をして、飛行機を見る「総合レジャーSC」が誕生したわけだ。


  ただ、景気の急速な下降には顔を曇らせた前村社長。食の安全性にも話がおよぶと、「先日、中国の黒竜江省の食品工場を見学したが、管理は行き届いていた。むしろ、事件性の方が心配だ」と述べ、自社の品質管理部隊を3人増員したことも明らかにした
(P15〜19に関連記事。)


今週の目次




SJトップインタビュー

変革、強い販売・MD力、工夫力で今期102% 212億円を目指す
 新生「与野フード」の企業戦略を探る
 与野フードセンター会長 井原 實 氏


SJ中間決算レポート CVS篇

主要7社のチェーン全店売上高6.3%増の3兆4,918億円
 タスポ効果で客数が大幅に伸びる


SJ新店レポート

自社開発のNSCオープン、狭山に続き2件目のベスタ
 ベルクベスタ東鷲宮店
国際線のターミナルビルを再利用「エアフロント」に新型SC誕生
 アピタ名古屋空港店


ハマさんのコーヒーブレーク・56 コラムニスト 浜本經道

売り切れご免!


今週の業界トピックス

日生協 「安全と信頼」取り戻す
日本フランチャイズチェーン協会 2007年度CVSの売上高は1.5%増
日本生活協同組合連合会 2007年度の総事業高は1.8%増の3兆4,293億円


食材ノートコラム・17

ハクサイ


食品マーケティング

激震続く食品業界、消費者の不安煽る
ISOシリーズ取得の大手企業でのトラブル
日清食品、10月から持株会社制へ移行で
分社化の日清チルド食品、と同・冷凍食品の強化を示唆


今週の開店情報一覧


今週の大店立地法公示速報


交差点

客層は核店舗で決まる



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