モールにあるベーカリー専門店など11の食物販店舗、アピタ銘店からコンセを主体にした惣菜売場までを「Windeli(風とデリカの造語)」と名付け、あらゆる食の世界を展開したのが目を引く。団塊ジュニアを主力としたターゲット層が計画通り来店してくれている。名古屋の商圏の奥深さを再認識した出店だ。
かつて国際線エプロンがあった場所には12スクリーン、1,835席の映画館「ミッドランドシネマ」が入った。SC棟とはデッキで結ばれている。横長の建物の4階には紀伊國屋書店が中部地区最大店を出店したのをはじめ、モールには135の専門店が軒を連ねている。
「こうしたSCは作りたくても、なかなか出来るものではない。新店並みの投資が必要だったが、ファミリー・エンターテイメント・パークというコンセプトは実現できた」とユニーの前村哲路社長は記者会見で満足げに語った。「これまで様々な形で努力し、取り組んできた“時間消費型のSC”が、図らずもできた感じだ」とも。
ショッピングといえば母と娘という取り合わせが大半で、男の出る幕はなかったが、飛行場というベースがあれば、父と息子というパターンも浮上する。家族揃って買い物に来て、食事をして、飛行機を見る「総合レジャーSC」が誕生したわけだ。
ただ、景気の急速な下降には顔を曇らせた前村社長。食の安全性にも話がおよぶと、「先日、中国の黒竜江省の食品工場を見学したが、管理は行き届いていた。むしろ、事件性の方が心配だ」と述べ、自社の品質管理部隊を3人増員したことも明らかにした
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