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No.526-12/1

日式スーパーは「安全・安心」の代名詞
セブン-イレブンも「おでん」根付かせる

No.527号

   乳児ら5万人余りに被害が拡大し、死者まで出た中国のメラミン入り粉ミルク事件。偽物には慣れっこの中国人も、「あまりにもひどい」と、国産品にそっぽを向き始めた。これで追い風を受けているのが日本から進出したスーパーだ。北京と成都でGMSと食品スーパー、それにコンビニなどを展開するセブン&アイグループ各社は新型肺炎「SARS」を機に「安心・安全」の基礎を築き、今回さらに確固たるものにした。セブン-イレブンは中国に「おでん文化」を根付かせ、FC化で出店スピードを上げようとしている。北京から1,000km以上も離れた湖南省長沙でGMSを展開する平和堂も、進出10周年を迎え、念願の2号店を開設した。イズミヤも2010年に蘇州に出店する。


  安くておいしいものに、人は群がる


  4年前に北京を複数回訪問したことがあるので、頭の中である程度「変化のシミュレーション」はできていた。だが、その思いは北京空港に着いた途端、打ち砕かれてしまった。昔の面影が全くなくなるまで、完全に変身を遂げていたからだ。これでは、初めて来たのと、なんら変わらない。


  見学したスーパーの店内では、もっと驚いた。有機野菜、焼き立てパン、スィーツコーナー、日本の最新店と、どこが違うのか、表面だけ見ると、よくわからない。ドッグイヤーがチャイナイヤーと名を変えて、眼前に展開している。


  「日本で言うと、昭和何十年ぐらいかなー」「まだまだ、ここがダメだ」――中国の一面を見て、そんな意見を述べる人も多いが、この国を、そんな尺度で測れば大いに誤る。セブン-イレブン(北京)の牛島章総経理も同じようなことを指摘されていたが、同感である。


  街中やスーパーでは、豪華なベビーカーを目にした。一人っ子がますます大事にされていることがわかる。同時に、車イスも多く見かけた。これは、4年前にはありえなかった光景である。パラリンピック開催で、障害のある人にも一気に目が向けられたからだという。


  「冷えたのを下さい」とわざわざ言っても、やや冷えが多かったビールは、ギンギンに冷えていた。平地が多い北京の街では、電動自転車が幅を利かせていた。ゴミ箱は分別タイプに変わり、レジ袋が有料になっていた。


  スカート姿が増え、ブーツは当たり前。車は軽自動車がないので、すべて大型で、高級車に見える。クラクションを鳴らす回数が以前の1/10ぐらいに減っていた。地下鉄に乗ったら、車両の中で若いお兄さんが雑誌を売りにきた。「ああ、ここには以前と変わらぬ中国があった」。店舗見学に、ぜひ中国を加えてほしいと思う。「他山の石は、輝いていますよ」。


今週の目次




SJ現地レポート 日式スーパー 中国奮闘記・中

日本流をうまく引き出して、流通近代化に貢献
 セブン&アイ グループ GMS、SM、CVSを多彩に展開


SJ新店レポート

SC内に新業態1号店を開発
 ヨークマートフードセントラルララガーデン川口店
小田急沿線上に7店目、新築マンション1階に小型店
 向ヶ丘遊園東急ストア


チェーンストア・コンビニ10月度販売概況

食品堅調、SM順調。生活防衛色強まる
 コンビニはタスポ効果続き全チェーンで既存店プラス


クレーム・トラブル対応と解決のコツ 27小澤信夫

難クレーム:世にも恐ろしいモンスタークレーマー対応策
クレーマーをタイプ別に分類し、対峙していこう


日本酒特集U

SMの戦略と上期の状況@ いなげや白井和生氏に聞く
 大容量パックの価格訴求に政策転換
  各地地酒の導入効果で「瓶」は深みと広がり出る
メーカーの戦略と状況@ 小西酒造森川敏朗氏に聞く
 本来の清酒復活実現の政策を強める
  需要期の新商品は1.8L&酒質向上を訴求


小太郎がゆく

稲刈リズム


食品マーケティング

師走に向け盛り上げる商戦 鍋の素、その派製品が増強
冷食からもシーズン対応品 アクリフーズが季節限定品を販売


今週の業界トピックス

イシダ セルフレジに参入、180度回転する1台2役タイプ


今週の開店情報一覧


今週の大店立地法公示速報


交差点

大入り満員の郊外型SC3件



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