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No.530-12/22

創業の地に新たに羽ばたく
「ピーコックストア香里ヶ丘店」12月10日オープン

No.530号

  J.フロントグループのスーパー部門として9月に発足した「ピーコックストア」が、創業の地である大阪府枚方市の香里ヶ丘に12月10日、「ピーコックストア香里ヶ丘店」をオープンした。旧店隣の駐車場スペースに新築・増床したもので、今から48年前の1960年(昭和35年)9月、団地のショッピングゾーンの中z心にお目見えした「大丸ピーコック香里店」は、最も近代的なセルフサービスを採用した店舗として注目を集めた。故ロバート・ケネディ司法長官が視察したほどの歴史のある店舗で、取り壊される前に新旧並んだ姿は、スーパー発展の「生き証人」としての価値がある。


  30cm足らずのビニール製の黒い人形「だっこちゃん」がブームになった1960年は、日米安保闘争で大荒れの世相だったが、4年後に東京オリンピックを控え、日本は高度経済成長期の真っただ中だった。香里ヶ丘周辺は、大阪府のベッドタウンとして、まばゆいばかりの鉄筋住宅が数多く建設された。


  あれから50年近い歳月が流れ、大地にしっかり根を下ろした「ケヤキ並木」の紅葉が美しい街は成熟したたたずまいを見せている。当時から移り住んだ人は、50〜60歳代となり、「団塊の世代」以上の“オールドピーコックファン”も多く見かける。


  老朽化した団地は、公団から民間に払い下げられて、分譲マンションに生まれ変わりつつある。入居するのは20代後半から40代前半のニューファミリー層で、「新・香里ヶ丘店」は、このどちらの層にもターゲットを合わせた。


  関西1号店となる「ピーコックストア」は、首都圏の洋光台店と上池袋店に続き3店目となる。関西発祥企業だが、東京・青山のハイセンスな都会の香りを「高品質スーパーマーケット」のコンセプトに乗せて、この1〜2年は関西でも小型店を積極的に出店してきた。


  「フレッシュな旬の味覚、産地や製法を厳選した品々、できたての惣菜など、毎日のテーブルに、安心できるおいしさをお届けします。探そう、おいしい食生活。楽しさ・べんりさ体験」――と同社のHPはうたう。


  だが、100年に1度といわれる金融危機に見舞われた世界と日本に、高質路線は完全に逆風になった。百貨店系スーパーの香りを残しながら、足元の“生活防衛ニーズ”にどうこたえるのか、難しいカジ取りが控えている。


今週の目次




新 激戦地 ストアシーイングMAP 1

埼玉県 戸田市・川口市 戸田川口市境地区


SJ新店レポート

庶民派のイズミヤが挑む、初のモール内GMS
 イズミヤ・西宮ガーデンズ店
ヨーカドー初開発のNSC、核店舗に3店目の食品館
 イトーヨーカドー本牧


基軸は量と価格より質と価値 国分開発商品部の戦略(続)

3層の利益確保には「こだわり」にも値頃感が重要
 二極渦巻く中で「飽きられない商品の発掘提案」に意欲燃やす国分


クレーム・トラブル対応と解決のコツ 29小澤信夫

「お客様を差別してはならない」「お取引先、宣伝(試食)販売員は大切なお客様だ」
、人に対する接し方の基本が出来ていない


今週の開店情報一覧


今週の業界トピックス

イオン・三菱商事 包括業務提携を結び、新ビジネスモデル構築を目指す
ベイシア 新ロゴマーク入りのPBを発売
サミット 恒例の杉並花笠祭りを開催


ほんとうにいまの「安売り合戦」で、シノげるのか

(株)島田研究室・代表 島田陽介


企業動向

ファミリーマート、上田采配で中高年層取り込み本格化


食品マーケティング

食品と健康の新分野を切り開く
 フジッコやカゴメに見る食品新製法に光明か?
 カスピ海ヨーグルトでの免疫アップ
 野菜果汁でアトピー性皮膚炎の抑制?


今週の大店立地法公示速報


交差点

世間の見る目は確かだ



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