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No.530-12/29

本来の姿を取り戻した「琵琶湖畔」に誕生した
エコショッピングモール

No.531号

  近畿の水がめ「琵琶湖」。奈良と和歌山を除く関西の2府2県、1,800万人の主な飲み水となる、文字通りの「大水がめ」だ。この巨大湖の東岸に11月26日グランドオープンした「イオンモール草津」は、西日本最大級のスケールを誇るとともに、エコや環境面でも業界トップレベルにある。日本の高度成長期に下水道の不備や合成洗剤などで生活排水が汚れ、「死んだ湖」と酷評された琵琶湖。「環境優先」が叫ばれ、ようやく本来の姿を取り戻したときに、エコを売りとするイオンのモール型SCが誕生した。


  エコの取り組みは、息の長い「企業活動」


  イオンモール草津の屋上には、2つの顔がある。1つは比叡の山々を一望できる展望台がある屋上駐車場。もう1つは、日本有数の太陽光発電の設備を持っていることだ。食品スーパーならすっぽり入る2,000m²の敷地に、年間約20万kwhの発電容量がある。50Wの蛍光灯なら1時間当たり5,000本照らすことができる。このCO2削減は年間85トン。


  また建物の1階西南の角には、“ネコの額”ほどのスペースだが。2枚の田んぼがある。春先になれば、田んぼ作りが始まる。地元の大学や小学校に呼びかけて、農業体験をしてもらう予定だ。「里地水田」と名付けられたあぜには、希少植物「ミズタカモジ」も植生されている。


  モール1階の中央部には、エコステーションがある。子どもたちが琵琶湖の自然や環境、エネルギーについて学習できるコーナーがある。タッチパネル方式で太陽光発電の容量などが分かる。琵琶湖に住む魚類を集めた水槽も用意された。


  このほか、夜間の電力を蓄積して昼間に利用、夜間の冷たい外気をSC内に取り入れ、翌日に活用するものや、屋上からの自然光を効果的に取り入れるシステムの導入で、従来のSCに比べ、CO2総排出量を1割削減できる。湖畔からの眺望にも配慮し、900m²にわたって建物の壁面や屋上を緑化した。


  こうした営業数字に直結しないエコに対する投資は、長年にわたって、お客に認知してもらうことで認知される息の長い活動だ。景気減速がエコの進展に黄から赤信号を灯すが“エコの成果”をじっくり見守りたい。
(P9〜15に「エコストア特集)


今週の目次




新 激戦地 ストアシーイングMAP 2

群馬県 伊勢崎市 県道68号線周辺域


SJ新店レポート

埼玉県に開業したSCの中に、SM新業態2号店
 ヨークマートフードセントラルモラージュ菖蒲店
省エネとユニバーサルデザインのモデル店
 サミットストア池上8丁目店
駅ビル地下食品売場の一角で営業開始
 成城石井川崎BE店


チェーンストアのエコストア特集(1)

数店舗のSMから省エネ規制の対象に
 改正省エネ法施行を控え急がれる対策
改正省エネ法施行を控えその対応を聞く
 第1回 コープネット事業連合
 最新省エネ機器導入、カーボンオフセットでCO2ゼロ店舗目指す
最新エコストアフォトレポート


避難安全検証法レポート(3) コープネット事業連合

郊外立地中心に新店の3分の2に適用
 避難安全検証法設計、450坪店で千数百万円のコスト削減


関幸雄の流通コラム 流通戦略アドバイザー

不況時は社員を商売人として鍛え直すチャンス


食品マーケティング

冷食の販促イベント(シーズン性)も加わる
マルハニチロ食品、定着型メニューを広める


今週の業界トピックス

神戸物産 中国製冷凍ギョーザ事件の影響で減益に


今週の開店情報一覧


今週の大店立地法公示速報


交差点

世界経済激変で組織小売業存亡の危機



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