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No.542-3/30

奈良と神戸がつながった。
「阪神なんば線」開業で流通にも変化が…

No.542号

  いにしえの奈良の都と港町・神戸が1本の線路でつながった。3月20日開業した「阪神なんば線」、近鉄の大阪難波駅と阪神西九条駅間3.4kmが計画から60年ぶりに開通、近鉄奈良駅から阪神三宮駅までの直通運転も始まった。これまで乗り換えが多くて、心理的にも遠かった関西の2都市が約80分で座ったままで行けるようになったことで、さまざまな交流が生まれようとしている。関西文化の奥行きの深さを感じさせる沿線に流通はどう対応するか、展開はこれからだ。

「神奈間」と呼ばれる時代の幕開けか


同じ関西にありながら、これまでほとんど交流がなかった神戸と奈良。140年余り前に神戸港が開港した新しい街・神戸と1300年前に5万人もの人口を数えた平城京など古都のたたずまいが多く残る奈良の新しい関係を鉄道が橋渡しする。


神戸は14年前の阪神大震災で壊滅的な被害を受けた。横浜と並んで日本を代表する港だった神戸港のコンテナの取扱量は世界で38位と低迷したままだ。一方の奈良は古都にあぐらをかいて何もしないいわゆる「大仏商法」が習い性になっていたが、2010年(平成22年)に「平城遷都1300年祭」を盛大に祝う。


奈良は京都以上に古い文化財に恵まれていながら、観光や商業面では遅れを取ったが、その分、静かな環境は残った。片や神戸は、ダイエーやコープこうべを輩出した“進取の気性”に富んだ街である。最古参と最先端の街がコラボできれば、沈滞久しい関西経済に新たな流れをつくり出すことができる。


阪神なんば線の開業に合わせて、阪神甲子園球場が大改装され、春の選抜高校大会が開催されている。隣接のららぽーと甲子園では子ども向け職業体験テーマパーク・キッザニア甲子園もオープンした。ここにもイトーヨーカドー甲子園店が核店舗で入っているが、奈良店との「協賛セール」などは開催していない。


大阪と神戸の間は阪神間、大阪と奈良の間は阪奈というが、神戸と奈良の間を称する言葉はこれまでなかった。これからは「神奈間」と呼ばれる時代が幕開けする期待が高まるが、知恵を結集して取り組まないと、せっかくの「一本化」も不発に終わるかもしれない。


今週の目次




チェーンストアのエコストア特集(4)

改正省エネ法施行を控えその対応を聞く
 第4回 マックスバリュ東北
 電気料金の見える化でエネルギーコスト5%削減
 管理本部総務部長 丹羽 和人 氏
 開発本部建設部建設課長 加藤 圭輔 氏


SJ新店レポート

排出権取引と省エネでCO2排出量ゼロ店舗
 ちばコープ東寺山店
食品SMに業態転換後、業績好調
 Olympic(オリンピック)行徳店
1円共感宣言を打ち出し、かましんとの一騎打ち始まる
 フードマーケットカスミ テクノポリス清原店


避難安全検証法レポート(4) マックスバリュ東北

防煙垂れ壁など無くなり、1,600u店で1,500万円のコストメリット


SJチェーンストアの危機管理シリーズU-(3)

「新型インフルエンザ」の基礎知識と自分でできる「衛生管理」の第一歩


今週の業界トピックス

ユニー・イズミヤ・フジ 共同でPBを開発
イオン PB、NB計5,100品目を値下げ
セブン&アイ・ホールディングス 一足早く新社会人1,266名が誕生
イトーヨーカ堂 過去最大級の品目数の一斉値下げ
ダイエー 定額給付金セールを展開
ユニー・サークルKサンクス 価値訴求型の共同PB商品を発売開始
日本チェーンストア協会 新会長に亀井ヨーカ堂社長が内定


MDフラッシュ


人事異動


今週の開店情報一覧


関幸雄の流通コラム 流通戦略アドバイザー

成功するチェーンストアと没落するチェーンストアの要因は何か


SMの生き残りはこれだ! 付加価値商品を狙え

低価格競争に明日はない!!


09春の新商品案内 アルテ・ヴィータと大塚ベバレジ


今週の大店立地法公示速報


交差点

待ったなしの国内農業再生



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