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No.549-5/25

名古屋と広島で相次いでオープンした「駅近SC」。
「反省」で店舗はどう変わる?

No.549号

  イオンモールが名古屋と広島に相次いでモール型SCをオープンさせた。いずれも最寄駅から徒歩で10分以内の「駅近SC」だ。核店舗はグループの「ジャスコ」や「サティ」で、環境にも配慮した最新のエコストアだ。2007年11月に施行された改正まちづくり三法の規制で大型店の届け出そのものが減少、イオンモールでも写真のような“揃い踏み”は、しばらく見られない。消費低迷に加え、国内で感染が急拡大している「新型インフルエンザ」も集客にマイナス要素となるが、GMSを見直す「反省」を機に店舗はどう変わるのか。

車から電車へ、ハイからローコストへ


名古屋市西区に4月21日オープンした「モゾ ワンダーシティ」は、名古屋中心部から鉄道利用で10分ほどの近さだ。名鉄犬山線に地下鉄鶴舞線が乗り入れる「上小田井(かみおたい)駅」から歩いて5分で建物の端にたどり着く。前身のワンダーシティを全面的に建て替えた2代目だ。


店舗は3月18日に発表した「イオンの反省」に基づいて、従来のワンダーシティと違う点を村井正平・イオンリテール社長は5点挙げた。(1)少子・高齢化に対応(2)アイテムが増え過ぎて、分かりにくい売場になっていたのをシンプルにした。


さらに(3)トップバリュ5,000品目開発で、NBより3割安いという世界に安住していた。真のロープライスとはどういうものか、見直した(4)パートタイマーの戦力化に再チャレンジ(5)94年来オープンした大型店はハイコストの極み。ローコスト店舗にチャレンジ--GMSをこういう風に変えるという判断材料の店舗にする。


大型連休の最中、4月29日にオープンしたイオンモール広島祗園。三菱重工業広島工場の跡地に建てられたもので、こちらもJR広島駅から北部の新興住宅地に延びる可部(かべ)線で15分。店舗は下祗園駅から徒歩10分ばかりの便利さだ。


イオンモールの村上教行社長は、「モゾと祗園は、いずれも駅に近いSCだ。来店客の10〜15%は鉄道利用をしてもらえるよう、スタンプカードでキャンペーンを実施する。通学に影響のない祝日をオープン日に選んだ」と地域密着のSCを強調する。


モゾはキッズやファンシー売場を強化、祗園も同様にキッズ関連の売場に力を入れ、ベビーカーを押す若いママさんたちの来店に期待を寄せる。プレオープンを実施したこともあって大渋滞は起きなかったが、逆に大型店に逆風が吹く象徴だとすれば、困ったものである。


今週の目次




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人事異動


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今週の大店立地法公示速報


交差点

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