地方のスーパーマーケット業界はこの10年で様変わりしてしまっている。北海道では札幌フードセンター、つしま、王子サービスセンター、ジョイなどの名前が消えている。アークスとコープさっぽろ、イオンの3極による競争が地場SMの体力を消耗させたとみられる。
富山県で着実に店舗数を増やしている大阪屋ショップは22店のうち10店が他社撤退跡への出店だが、そのうちの半数以上が地元SMの撤退跡へのものだ。富山県にはアルビスなどの北陸圏勢に加え中京圏のバローが進出し、競争が激化する中で地場SMの多くが衰退に追いやられたものだろう。
一方、今回取材したセルコグループの豊月(苫小牧市)や大阪屋ショップ(富山市)のように、地場産業として地元に密着した商売をローコストで経営できる仕組みを地道に造り上げた企業がこの10年間で大きく伸びている。逆に体力のない地場企業を衰退に追いやった一要因となった地元外資本企業の店舗が今ひとつ精彩を欠いている。 SMのナショナルチェーンは未だに日本では存在していないが、出来つつあるリージョナルチェーンといえども、まだ出身県外では必ずしも強さを発揮出来ないでいる。
地場SMとして元気の良い企業はほとんどといってよいくらいGMSを恐れていない。MR(マーケティングリサーチ)の対象にすら入っていない。ライバルとしてマークするのは同じ地場企業である場合が多い。GMSほどではないにしてもリージョナルチェーンのSMもそんなにはマークされていない。SMも地場色の強い生鮮・日配のウエイトが高いだけに、ユニクロのような圧倒的に強い業態にはなり得ていないということだろう。
こうした点からも地域産業としてSMを位置づけ、地域ごとにその連合体をつくり真に地域に役立つSMを共に作ろうというセルコの新しい活動は、商品の共同仕入れなどといった直接的な経済活動をベースにおいていないだけに難しい面もあるが、逆に言えば自由度の高い本質的な活動ができるともいえる。新しいVC活動として期待される所以である。
<INTERVIEW>
協同組合セルコチェーン理事長・株式会社さえき代表取締役社長
佐伯 行彦 氏
協同組合セルコチェーン理事相談役・株式会社エコス代表取締役会長
平 富郎 氏
株式会社日本セルコ代表取締役社長・株式会社与野フードセンター代表取締役会長
井原 實 氏
セルコチェーン副理事長・セルバ社長 桑原 孝正 氏
セルコチェーン副理事長・サンシャインチェーン本部社長 川崎 博道 氏
豊月社長 豊岡 憲治 氏
たからや社長 溝口 浩幸 氏
静岡県進出の今後を占う試金石店舗
セルバ富士厚原店
人口密度の高い住宅立地に好条件出店
たからやフレサ相模が丘店
熾烈な価格戦争に入った札幌、生鮮強化と価格訴求で攻める
豊月・フードD平岡食彩館
部門別曜日別販促で安さを見える化した高質SM
サンシャインクラージュ
週末と平日にメリハリ付けた特徴ある店づくり
さえき若松町食品館
ミールソリューション化で移転後の売上大幅増
与野フードセンター・フードガーデン日進店
エコス 関東圏で居抜きを含め様々な出店形態を進行
たいらや 強豪ひしめく足利に今秋、初出店
大阪屋ショップ 買上げ点数14点台と、圧倒的な支持受ける
名門ボランタリーチェーン、セルコチェーンの歩み
接客サービス・不感症の応対
価格競争激化、GWはETCなど経済対策が効く
コンビニ、12か月連続プラス、SM、GMS、若干上向く
田村 詔 商品本部長に聞く
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