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No.559-8/3

報道されなかった「神戸・長田のスーパー従業員感染」。
対策は今しかない

No.559号

  「5月13日、神戸市長田区のスーパーに勤める、渡航歴のない20歳代の女性従業員が感染した」(国立感染症研究所感染症情報センター・砂川富正主任研究官)。もし、これが報道されておれば、業界はてんやわんやの大騒ぎになったに違いない。「当社ではサージカルマスクとアルコール消毒剤が事業継続に不可欠で、欠品は許されない」(ライフコーポレーション・染谷敏夫取締役総務本部長)――7月24日に開催された当社の「新型インフルエンザ対策セミナー」では、渦中で活躍した講師の生々しい体験談に、40人が耳を傾けた。秋口の爆発的な感染拡大を目前に、対策を打つのは今しかない。

選挙に関心、マスコミ報道されないことも影響


  「のどごし」はビールの枕言葉だが、「のど元」は過ぎれば忘れ去られて行くことを意味する。5月にあれほど大騒ぎになった「新型インフルエンザ」だが、高温多湿の夏場は一休み――秋口までは安心。というのは大間違いで、今もどんどん感染者は増え、7月末時点で4,000人を超えた。重症化の兆しもある。ちっとも「のど元」は過ぎていない。選挙に関心が行ってしまい、マスコミ報道されないことも“沈静化”に輪をかけている。


  神戸の高校を実地調査した砂川研究官は「大規模な学校閉鎖が行われなかったら、もっと流行は増えていた。(スーパーなど)不特定多数の人が集まるところでは感染が爆発的に広がりやすい」と秋口に向けて警鐘を乱打する。「正しい情報を収集し、頭を柔軟にして取り組み、漠然とした不安を払拭することが大事だ」という。


  染谷氏は、「フロントランナーにはならないが、周辺の情報をきちんと収集し、風評被害などを受けないように体制整備をしている。マスクが欠品すると営業継続ができなくなる。売場で食品の加工に当たる従業員のために、13週間分のサージカルマスクの備蓄は不可欠。店舗以外の本部社員などは8週間分確保する」と具体的だ。アルコール消毒剤もきっちり確保している。


  弱毒性とされたことで軽いものと見られがちだが、感染力は強く砂川研究官は「WHOでも普通レベルとしている」と楽観視しない。季節性インフルエンザと重なって“爆発的流行”が起こればどうなるか。新型のウイルスは、スーパーの存在価値を根底から問うている。


今週の目次




SJ決算レポート(生協篇)上

08年度店舗供給高は96年度対比18.6%減の9,853億円
 赤字構造の店舗事業は人件費など経費改善進まず


SJ新店レポート

「鮮魚が強いSuC」が岐阜県に初進出
 SuCオークワ岐阜養老店
郡山市内の郊外型店を建替え、ドミナントを強化
 ヨークベニマル希望ヶ丘店
小型店活性化ノウハウを導入した350坪SM
 いなげや小金井本町店


クレーム・トラブル対応と解決のコツ43小澤信夫

◎感動・感激編


チェーンストア・コンビニ6月度販売概況

曜日周り、前年反動、景気低迷で記録的なマイナス
コンビニもタスポ効果終わり、14ヵ月ぶりに既存店割れ


今週の業界トピックス

イオン 農地リース形式による農業参入
イオン 新ジャンルビール「麦の薫り」をトップバリュで発売
セブン&アイ・HD ビール系飲料でPBセブンプレミアム「THE BREW」
ドミー PB開発を強化し増収増益に
オーケー 前期決算、営業収益2,000億円、経常利益100億円、目前に


今週の開店情報一覧


盛夏に向けての飲料2品

大塚製薬と大塚ベバレジ


企業動向

池田日清フーズ社長、秋冬新商品と販売戦略で語る


食品マーケティング

シーフードショー開催、寿司EXPO〜養殖技術の革新など紹介
 本マグロの養殖実態へ熱い視線<マルハニチロ水産>
 '健康食'かまぼこ製品の展示デモ
菱食、コープ、SMでMD研究大会開く(札幌)


今週の大店立地法公示速報


交差点

結構おいしかった「非常食パン」



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