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No.560-8/10

千里丘陵の「近隣センター」に
ディスカウント店をオープンしたイズミヤの戦略

No.560号

  関西のスーパーは、元々「安売り」が当たり前で、ことさらディスカウント色を鮮明にして来なかったが、長期に渡る景気の低迷で、そうも言っておられなくなってきた。スーパーセンターなども手掛けるイズミヤもSM「まるとく市場」出店を本格化し、“安売り時代”を乗り切る。8月1日、万博が開かれた千里ニュータウンの一角・大阪府豊中市北緑丘2に「まるとく市場北緑丘店」をオープンした。高層住宅に囲まれた「近隣センター」の真ん中にあり、高齢化が進む住民のニーズを取り込む。関西スーパーや地元チェーンが撤退した跡地に居抜きした「3度目の正直」出店だ。

業態変更や新規出店で規模拡大中


  イズミヤは「ええもん、安い」がモットーだが、まるとく市場は「全てのコストを見直し、少しでもお安く届けします」をコンセプトにしている。ポイントカードやクレジットカードを取り扱わず、サービスカウンター機能も廃止、チラシも月1回に制限するなど、徹底して低価格を実現。「その分、値段に反映します」という訳だ。


  日本が高度成長期の真っただ中にあった1970年(昭和45年)前後、千里丘陵では万博が開かれ、ニュータウンに住むこと自体がステータスだった。それから40年、建物の老朽化とともに、住民の高齢化が急速に進む象徴的な場所になった。


  北緑丘店の周辺も例外ではない。近くでクリーニング店を営む初老の店主は「ここで商売して20年を超えるけど、みんな年とってしまったなー。関西スーパーさんが出てから、阪神スーパーという店がやってたけど、ここも1年半でやめてしまった。こんどこそ」とイズミヤの奮闘に期待する。


  団地内を走る坂道の途中にあり、樹木が生い茂って「まるとく」は外からは目立ちにくい立地だ。屋上は駐車場ではなく緑地になっており、店内入口も設けられている。エコ時代にふさわしいシチュエーションだが、近場のお客しか来店は望めない。


  一方、これまで小型店のデイリーカナートを業態転換することが多かった「まるとく市場」の新規出店第1号が大阪市都島区に7月3日オープンした「都島友渕店(829u)」だ。ここもダイエーのグルメシティ跡地への出店だ。周りを高層マンションに囲まれているが、工場も多い。


  8月後半からユニーやフジとの共同PBも導入される。「毎日がお買い得」「ぶっちぎり得価」という目玉商品で引くが、少々のことではお客も動かなくなっている。人が自然に集まる立地も限られている。今回の「まるとく」2店の今後を見守りたい。


今週の目次




流通羅針盤


SJ決算レポート(生協篇)下

11生協中4生協の店舗売上が前年上回る
 急成長してきた個配も伸び悩み、無店舗は6生協がマイナス


SJ新店レポート

世代別、生活シーンに合わせた売場構成に
 ジャスコ土浦店
S&Bで馴染み客プラス若い世代客を吸引
 ヤオマサ中町店


SJチェーンストアの危機管理シリーズU (6)

サンドイッチパネルの恐怖
神戸の食品工場火災で得た教訓。燃えたら、大変なことになる


ハマさんのコーヒーブレーク・65 コラムニスト 浜本經道

売場の面白さとは?


今週の業界トピックス

CGCグループ 総年商4兆円突破、義津屋が新規加盟、227社・3,549店舗に
東京電力、ヒートポンプ・蓄熱センター エネルギーソリューション&蓄熱フェア開催
東急ストア 楽天と組みネットスーパーに進出
マルミヤストア 発注作業の管理強化を進め、増収増益に
ライフコーポレーション 清水会長が韓国の李大統領から修交勲章光化章


MDフラッシュ


今週の開店情報一覧


食材ノートコラム・26 トウガン


オンリーワン商品を開発 大塚食品、新市場開拓へ

冷凍焼きおにぎり「マンナンごはんの こにぎり」開発


企業動向 雪印乳業、高野瀬社長が秋季営業施策を発表

保有乳酸菌活用し新たな低脂肪チーズ商品を実現


食品マーケティング

菱食、第2四半期決算はチルド事業拡充が顕著
 今期設備投資は46億円(物流センター)
<冷食、新商品>
 日清フーズ、スパゲティのバリエーション強化
 ニチレイ、米飯カテゴリーの強化


今週の大店立地法公示速報


交差点

自転車の来店にエコポイント



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