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No.573-11/23

「育メン」パパも買い物に来る“こじゃれた”
高架下の食品スーパー(KINSHO玉造店)

No.573号

  JRを除く民営の鉄道では最長の路線を誇る近畿日本鉄道。その近鉄グループの流通部門でスーパーを展開する近商ストアが10月29日、大阪環状線の玉造駅高架下に「スーパーマーケットKINSHO玉造店」を開店した。新規出店は実に3年半ぶりのことだ。 ジェイアール西日本不動産開発の駅直結型商業施設「ビエラタウン玉造」の核テナントとして入店したもので、天井が低く南北に細長い制約の多い条件にもかかわらず、そのハンディは、微塵も感じさせない。写真(右下)のように、2人目を身ごもった奥さんの代わりに進んで育児を手伝う「育メンパパ」がベビーカーを押す姿がぴったりの「都心型スーパー」でもある。

日常の食卓代行業を担う


  駅の階段を降りて、新たに設けられた南改札口の入口付近には惣菜類を配し、お客の利便を図っている。全体のアイテム数は絞り込んでいるものの、個食・少量品パックのバラエティを増やし“駅直結ニーズ”にこたえている。


  JR玉造駅の天王寺寄りの隣接駅は焼き肉の匂いが漂うホームまで立ち昇る鶴橋駅だ。その高架下は戦後の闇市の雰囲気を今に残している。1km離れた場所で戦後60数年を経た流通の今昔風景が見られるのは全国広しと言えども、ここだけのことだ。


  ところで、出店を再開した近商ストアは、今後は年間2〜3店舗のペースで出店を続け、現在の44店舗を早期に50店の大台にまで増やしたいとしている。今後の出店計画で明らかになっているのは2010年4月に予定している「ハーベスあやめ池店」(近鉄奈良線・菖蒲池駅前)、6月の宿院店(堺市堺区)、8月の上本町店(大阪市天王寺区)などだ。


  菖蒲池駅の北側一帯は、あやめ池遊園地の跡地を近鉄不動産が再開発しており、近大付属小学校や幼稚園のほか、医療・福祉施設、外食ゾーンなどにマンションや住宅が張り付く予定で、平城遷都1300年祭の年に街開きを迎えることになった。駅前に出店する近商ストアは基礎工事の真っ最中だ=写真。


  消費低迷は、スーパー各社の出店意欲を衰えさせ、価格訴求のディスカウント型店ばかりが増えていく。そんな中で、一度は投資ファンドの手に渡ったものの、近鉄が買い戻し、再発進する「近商ストア」に注目したい。 (8〜11ページにも「新店レポート」を掲載)


今週の目次




今週の業界トピックス

  さえき 茨城さえき設立し、マル平ストアから7店舗を譲り受ける
 バロー 食品スーパー出店加速、5年間で80店を計画
 ファミリーマート am/pmを買収し、来年3月に吸収合併
 そごう・西武 西武池袋本店「食品館」改装!
 国分 テストキッチン兼プレゼンテーションルーム開設


今週の開店情報一覧


今週のニューストア

スリーエフ インストア調理型コンビニ、グーツの4号店開店


SJ新店レポート

環状線の高架下、圧迫感を感じさせないレイアウト
 近商ストア・スーパーマーケットKINSHO玉造店
ライブ強化し、同じ駅の自社店舗を補完する形で展開
 東武ストアふじみ野ナーレ店
JRの新駅ビル内に、65坪の生鮮のないSM出店
 成城石井シァルプラット東神奈川店
西武渋谷店地下にデイリーユース重視型食品スーパー誕生
 ザ・ガーデンプラス シブヤ


豚肉流通の現状と課題 小俣勝彦営業統括本部長に聞く

フリーデン「やまと豚」の増産体制確立
27万頭の9割固定価格で安定流通


企業動向

明治HDの統合初業績は減収大幅増益基調で着地


食品マーケティング

昆布、煮豆からカスピ海フルーツヨーグルトまで
 フジッコ、自然健康食品へ拡充と挑戦
鍋用スープシーズンインで、東洋水産「ラーメン鍋用スープ」に期待
アクリフーズ、冷食ピッツァ、年末年始用に限定販売


清水信次の「やれば、できるんだ」我が流通人生の軌跡・8

朝日新聞の厚生部にいた「恩師」を訪問


クレーム・トラブル対応と解決のコツ 50小澤信夫

◎感動・感激編


今週の大店立地法公示速報


交差点

ご時勢には逆らえない?



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