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No.578-12/28

新規出店相次ぐ。
“復権”したビッグ業態でデフレを乗り切る

No.578号

  「こんな景気の悪い年末は初めてだね、何しろお客さんが乗ってくれないんだから。そういう自分自身も“節約ムード”になっているけど(苦笑)」――街角の景気のバロメーターであるタクシーの運転手が語る「景気診断」。都市部でも地方に行っても同じ言葉が聞かれる。「弁当197円」「塩さんま1尾57円」「たまねぎ1ネット85円」など超目玉品を満載したマックスバリュ西日本のディスカウント業態店舗「ビッグ」は7月から新規出店を再開。「びっくり価格」でお客を引き付け、デフレ状態での年内最後の商戦を乗り切る。

お荷物業態だったが、時代は追い風に


  「ザ・ビッグ周東店」は11月21日に開店した郊外店だ。運営するマックスバリュ西日本では「環瀬戸内リージョナルチェーン」を目指して、主力のSSM業態の積極展開を続けているが、ディスカウントの追い風を受けて「ザ・ビッグ」も柱に育てようとしている。


  こだわり商材を扱う高質の食品スーパーがもてはやされていた、つい2〜3年前までは、ビッグ業態は、どちらかというとお荷物的な存在だった。ジャスコ旧店の看板を「BIG」に書き換え、簡単に模様替えした店舗が目立ち、当時の記者会見でも「何とかやってますよ」と新規出店より、現状をどうしようかとの認識が先行していた。


  しかし、時代の空気そのものが変化を遂げ、西日本だと大黒天物産とかトライアルカンパニーといった「ディスカウント専業」の店舗が台頭してくることで、風向きが変わった。特にリーマンショック以降の値下げ路線が「ビッグ業態」を復活させた。13年振りの新設店・平島店(7月、岡山県)を皮切りに、北島店(10月、徳島県)、上板店(11月、同)、周東店、寒川店(12月、香川県)と出店が相次いだ。いずれも、食品スーパーの持ち味を生かした店舗づくりで差別化を図る。


  デフレ風が吹き荒れ、暖冬のまま新年を迎えるのかと思ったが、年末寒波が日本列島を覆い、ようやく冬らしくなった2009年。年内は今号で納刊、新年は1月11日号からスタートします。新店舗紹介、業界トピックス、好評の連載、勢いを増す中国の流通事情など、新年も役立つ情報をお届けします。「流通の明日を考える」本誌を引き続きご愛読下さい。


今週の目次




SJトップインタビュー

動体視力を研ぎ澄まし、智恵を出すこと
 さえき代表取締役社長・協同組合セルコチェーン理事長 佐伯 行彦 氏


流通羅針盤


新 激戦地 ストアシーイングMAP3

東京都 小金井地区


関幸雄の流通コラム 流通戦略アドバイザー

中小SM生き残り・成長戦略の鍵は支払いサイトを短くすること


SJ新店レポート

イトーヨーカ堂のディスカウント業態、初の新設店
 ザ・プライスせんげん台店
昼食需要への対応をメインに据えた店づくり
 サミットストア イースト21店
肉、惣菜は直営とコンセの両面で展開
 フードスクエアカスミ我孫子寿店


今週の業界トピックス

サークルKサンクス ドラッグストアチェーンと業務提携
日本ショッピングセンター協会 09年SC新設は前年比35%減


MDフラッシュ


大塚製薬の「飲・食・菓」戦略 主力商品の動向を探る

医薬品発想から生まれた長寿商品
 SOYJOY発売4年で11品に成長


清水信次の「やれば、できるんだ」我が流通人生の軌跡・13

 夜行で東京・大阪を「とんぼ返り」


食品マーケティング

冷食、弁当向けと卓上用の二極化<シリーズ、最終>
※加ト吉は明年1月、新社名「テーブルマーク」へ
 (一部既報)、下期新商品の売れ筋をみる。
※商品開発は品質・値頃感の戦い


今週の大店立地法公示速報


交差点

大手は感動の番組作りを



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