今から125年前の1884年に起きた秩父事件は、現在の秩父市で政府に対して農民が起こした武装蜂起事件。その当時も現在と同様、デフレスパイラルが発生し、深刻な不況が続いていた。1882年から1883年にかけて、世界的に生糸価格の大暴落が発生。養蚕業が盛んであった秩父地方は、この影響を受けて困窮に陥る農家が続出し、ついに不満が爆発した。
秩父地方は埼玉県の北西部にあり、群馬県・長野県・山梨県・東京都と接している。市内の面積は578kuで、埼玉県全体の15%を占め、市域の87%が森林、盆地を形成している。2005年4月には吉田町・大滝村・荒川村を吸収合併して、一時は7万3,000人を超える人口となったが、その後も毎年人口が減り続け2009年末では7万人を割っている。深刻なのは65歳以上の高齢者の比率が26%を越え、超高齢化が加速していること。秩父市では他市からの移住計画を進め、人口増と若年化を図るが、思うような成果は得られていない。
市内には、歴史のある八尾百貨店が君臨し、ベルク発祥の地でもある。また、かつてはキンカ堂がA館とB館の2館体制で営業していたが、2008年1月にB館は閉鎖、食品売場だったA館は現在、衣料・雑貨売場となっている。地場スーパーのヤオヨシも市内や周辺で数店を展開する。
昨年11月にヤオコーが秩父大野原店に続く市内2店目の秩父上野町店をオープンしてから、市内の小売環境が変化した。いつ脱出するかが見えないデフレスパイラルに対して、125年前に過敏に反応した秩父市では今、同じデフレ状況の中でスーパー同士が競合している。まさに日本の縮図とも言える場所だ。
日本スーパーマーケット協会 会長 川野 幸夫 氏
社団法人日本セルフ・サービス協会 会長 横山 清 氏
日本チェーンストア協会 会長 亀井 淳 氏
日本ショッピングセンター協会 会長 木村 惠司 氏
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