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No.586-3/1

かつお一本釣り漁業「海のエコラベル」に認証!
製品を全国のイオングループで発売

No.586号

  イオンはMSCラベル製品を現在、自社ブランドで9品目、一般ブランドで10品目、計19品目取り扱っている。イオンの魚介類全体に占める比率は1%前後しかないが、業界に先駆けて、取り扱うことで、企業姿勢をアピールできるし、MSC製品の消費者への認知や拡販につながる効果を期待している。環境への積極的な取り組みを経営方針としているイオンの活動の一環である。

環境にやさしい、土佐鰹水産のかつお一本釣り


  イオンは2月19日(金)より、かつお一本釣り漁業として世界で初めて、「海のエコラベル」といわれるMSC(海洋管理協議会)認証を取得した土佐鰹水産株式会社(本社:高知県黒潮町、明神宏幸社長)が認証業法で漁獲したかつおを、イオングループ487店舗で販売を開始した。MSC認証のかつおを全国的に本格販売するのはイオンが初めてとなる。


  明神社長は「4年前に日本の一本釣りがMSCに該当することを知り、申請した。生産性は低いかも知れないが、乱獲を避け、大切な資源を守る魚法で取った“かつお”だということを多くの消費者に知ってもらいたい」と語った。「一本釣りの“かつおのたたき”は巻き網漁法で取ったものより割高になるが、味も美味しく消費者に受け入れられる」(イオンリテール近澤靖英専務)と見ている。取扱高は未公表。


  水産資源は獲り過ぎなければ、枯渇することはない。将来の世代も魚を食べ続けていけるようにするためには、持続可能な漁業を推進し、水産物を守る取り組みが求められる。この主旨に合致した漁業に与えられるのが、MSCの「海のエコラベル」だ。MSCは、減少傾向にある世界の水産資源の回復を目指し、1997年に設立された国際的な非営利団体(本部:ロンドン)。「海のエコラベル」付き製品数は2010年1月末現在、3,858品目あり、世界65ヵ国で販売されている。特に欧米先進国や日本でMSC製品市場は急速拡大している。欧米の大手小売業はMSC認証を受けた水産物の調達を経営戦略の中に組み込んでいる。


  日本でMSCラベル製品が初めて販売されたのは06年にイオン、西友、日生協などが、先鞭をつけた。その後も販売する企業が増え、10年1月にはMSCの「海のエコラベル」がついた製品数は180以上になっている。MSCの目的は、消費者の力で水産資源の枯渇を食い止めることにある。そのためには、消費者にMSCとは何か、知らしめることが重要であり、小売店の取扱い拡大が望まれるところだ。


今週の目次




流通羅針盤


SJ企業ウォッチング 神戸物産

食品スーパーのSPAを目指して「中国産」の逆風はね返し成長


SJ新店レポート

SM閉店後にDSを居抜き出店、ドミナントを強化
 FOOD OFFストッカー 茂原東部台店
ina21初の新設店舗、商品構成、尺数の基準売場
 いなげやina21稲城矢野口店


関幸雄の流通コラム 流通戦略アドバイザー

お客様が何を求めているか察知し、問題解決する商売人が求められる


今週の業界トピックス

キンカ堂 負債46億円抱え自己破産
山崎製パン 流通事業は大幅減益に
プロ商材共同仕入協議会 業務用の他、購買頻度の高い市販用食品も扱う
自主回収 スーパー各社の今年の自主回収状況


MDフラッシュ


今週の開店情報一覧


こだわり商品マーケティング 仙台麩の山形屋商店

味のよさ・ヘルシーさを売りにメニュー提案で量の拡大を図る


食品マーケティング

<上期・冷食売れ筋特集シリーズ> 冷食売場に広げる魅力とは
*アクリフーズ、カテゴリー1商品づくり
*日清フーズ、スパゲティのバリエーションアップ
  菱食、ソリューションフェアでFCMへの挑戦
*冷食・チルド伸び、チルドは1,000億円へ接近


清水信次の「やれば、できるんだ」我が流通人生の軌跡・21

チェーン化へ、11店舗造るしかない


今週の大店立地法公示速報


交差点

トップ会談と統合破綻



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