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No.589-3/22

春の潮風に乗って
SCモール「ライフガーデン潮芦屋」がオープン

No.589号

  「大阪で商売をして、芦屋の山手に住む」というのが関西の富裕層の通り相場だったが、同じ芦屋でも六甲山を背にした臨海部に一戸建てを建てるというのも選択肢に入ってきた。白砂青松で知られた兵庫県芦屋市の海岸が次々と埋め立てられ、阪神高速道路5号湾岸線のさらに南に南芦屋浜(潮芦屋)地区が誕生、住宅の建設が急ピッチだ。 3月の初めに地元神戸の食品スーパー・マルハチやHCのケーヨーデイツー、レストランなど9つの商業施設が入居するショッピングモール「ライフガーデン潮芦屋」が営業を始めた。これまで買い物に不便な地域だっただけに、高層県営住宅に入居していた住民たちも大喜び、幸先のいいスタートを切っている。

デフレ時代の「ウォーターフロント」の見本に


  潮芦屋は兵庫県企業庁が開発を進めているもので、六甲山から流れる芦屋川の河口を埋め立てた125haもの広さがある人工島だ。街開きから約10年で甲子園球場の約32倍の広大な敷地に公園、人工海浜、マリーナなどが整備された。商業施設の運営や管理は東京のダイワロイヤルが担当している。


  「ライフガーデン潮芦屋」に入ったマルハチは神戸市灘区に本部があり、阪神間から三田地区まで20店ばかりチェーン展開している。売上高は300億円が視野に入ったところだ。マルハチ南芦屋浜店は、見たところ600坪スタイルの店舗で “元気印スーパー”ならではの価格がお客に好評だ。


  南芦屋浜には広大な芦屋総合公園があり、バーベキューができるコーナーも用意された。先端の突堤では釣りができ、人工の砂浜が広がって往時をしのばせる。マルハチやHCでは行楽需要も見込める。ガーデン形式のチャペルもオープン、スーパーまでウェディングベルが聞こえてくる。


  「山を削ってその土で埋め立て地を造成」--港や住宅地を拡大する神戸市株式会社の錬金商法がもてはやされたのはいつの日だったか。日本を代表した神戸港は、阪神大震災以降、コンテナ取扱量などで年々ランキングを下げ、往年の輝きはない。これが最後の埋め立て用地になるのかも。


  戸建て住宅がすべて完成すると、人口1万人近い街になる。あれもこれもと施設を増やすのではなく、陽光をいっぱい浴びて、のんびり過ごすスペースがある方が、デフレ時代のウォーターフロントにはふさわしい。入居者を待つ空き地では、ヒバリがひときわ高くさえずっていた。


今週の目次




紙上セミナー 「消費者庁新設で食品表示行政はどう変わるか」(下)

他省庁に措置要求できる権限が消費者庁に
消費者庁食品表示課課長補佐 平中 隆司 氏


今週の業界トピックス

東武ストア 新社長に丸紅出身の宮内専務が昇格し、玉置社長は退任
イオン CFSコーポレーションを子会社化し、SM事業を継承


MDフラッシュ


今週の開店情報一覧


SJ新店レポート

百貨店食品売場内に3店目のグロサリーショップ
 明治屋藤沢ストアー
人口増加の駅前350坪SM、簡便、サイズに注力
 仲町台東急ストア
サティが名古屋市初出店。きめ細かく、丁寧に“時間密着”
 新瑞橋サティ


注目の「Yoplait」発売 明治乳業のヨーグルト戦略

日本市場にない新しい価値の提案へ


モランボンの2010春夏戦略 生鮮売場から日配売場に進出

「ジャン」31年の実績軸に年商165億円に成長


業界動向

中国の高度成長が促す流通産業の勃興期(下)


食品マーケティング

<上期/冷食売れ筋特集シリーズ>
つい手が伸びる、えびフライ〜焼そばのアピール
*マルハニチロ食品の惣菜向け調理冷食
加速する日本人の魚離れ(下)
*SMも丸魚売場縮小、煮魚、切り身など真空パック、惣菜売りにシフト目立つ


清水信次の「やれば、できるんだ」我が流通人生の軌跡・24

住友信託銀行、ライフのメーンバンクに


カスタマー ディライト・6 小澤信夫

 スチューレオナード


今週の大店立地法公示速報


交差点

春と花と人と



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