JR大阪駅から東海道本線・山陽本線を西に新快速電車で約1時間、東播磨臨海工業地帯の中心地で、大阪・神戸のベッドタウンとして発展してきた兵庫県加古川市。人口は26万人で、さらに西の姫路方面からの通勤、通学も多い地域だ。
ちょっとした買い物は近隣の明石、姫路方面に出かけ、日常の買い物は市内にひしめく大小の量販店で「チラシ価格を見て」自転車で買い回る。こうした激戦地では、価格の打ち出ししかできないプライスカットをぶつけるより、レギュラー業態のSSMの方が有効だという。
奈良県では地元のスーパー以上の評価を受けているオークワも、大阪のさらに先の兵庫県ということになれば、知名度のないことがまさに“致命的”になるが、そこは百戦錬磨の企業姿勢がカバーする。
データで顧客管理が可能なカード会員を重点的に増やし、オークワファンになってもらうのが一策。店頭では、初の試みとして生産者コーナー「もぎたて広場」をいきなり3面展開、兵庫県認証食品、地場野菜を大きく打ち出した。
水産でも鮮魚に強い「和歌山のスーパー」色を鮮明にする。このため、旬のカツオを例に取ると「丸のまま1本、片身、1/4、1/8、1人前、2人前のようにSKUで包み込む」(福西社長)作戦だ。朝は徹底したバラ売りでライブ感を演出、昼からはパック売りにチェンジし、夕方のピークにつなぐ。名古屋のスーパーも今から「要研究」のオークワ商法だ。
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