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No.602-6/28

オープンキッチン備えた新型コンビニの展開を開始
(写真はローソン大井店=東京都品川区大井4−17−16)

No.602号

  ローソンはオープンキッチン方式で店内製造の弁当を提供する「ローソン神戸ほっとデリ」を展開すると6月16日発表。同社は昨年3月に業務用スーパーをFC展開する神戸物産と折半出資で合弁会社・神戸ほっとデリを設立。今回、神戸物産の食品製造ノウハウとローソンの店舗運営ノウハウを結合した製販一体型の店内調理システム「ローソン神戸ほっとデリ」を全国のローソンに導入する計画を打ち出した。バイキングスタイルのデリカテッセンを融合したコンビニは、ミニストップでもオリジン東秀とコラボで44店(5月末)展開。今後の動きが注目される。

できたて弁当提供するコンビニ


  「コンビニ弁当はスーパーの安売り弁当に客を奪われている。何とか主婦にローソンへ来てもらえるよう、(他社が)マネできない、アルバイトでも簡単にできる仕組み」の構築を課題に実験してきたとローソン新浪剛史社長。「できたて弁当に対する客の反応は根強く、ベンダー製造弁当とは全く認識が違う」と言い切る。同社はできたて弁当の実験を2004年に札幌市で開始し、その後、東京など店内調理実験店を複数展開。直火を使った調理から電子レンジによる加圧調理システムまで様々な模索を繰り返した。「年間10億円、これまで70億円以上の投資をかけてきた」と新浪社長は振り返る。


  今回発表した「ローソン神戸ほっとデリ」は「何としても加盟店の廃棄を減らしたい」(新浪社長)と開発。コンビニ業界全体として、「廃棄を出さないと売れないという仕組みはおかしい」と強調する。客の目の前で、トゥオーダーで製造し廃棄を減らす。廃棄ロスはベンダー製造弁当と比べ5%から1%へと5分の1に削減可能。実験店では全体の売上が20〜25%拡大しているという。新店と同時に既存店の店内に導入。店内厨房とビュッフェは4坪のスペースがあれば設置でき(専用人員2名)、10数坪の小型店でも可能で、2010年度に200店、2015年度までに1,000店、小型店中心に最大3,000店体制を目指す。


  「ローソン神戸ほっとデリ」の仕組みは、効率よく調理できるよう、調理済みの食材と調味料を部品のように組み合わせた「パーツアッセンブル方式」を採用。調理器具はオール電化。実際の売場では3つのサービスを実施し、@目の前でオムライスや豚焼肉などを調理する「ライブキッチン」Aカレーやビーフシチュー、ご飯などのセルフ盛り放題コーナー「彩りビュッフェ」Bピークの昼食時間帯に作り置きで提供する店内調理の「できたて弁当」を提供する。通常は11時〜20時を基本にコーナー化し、カレーやビーフシチューバイキングコーナーは24時間提供する。


  通常のローソン1店当たりで1日50〜60食の弁当しか出ないが、「ローソン神戸ほっとデリ」導入の実験店では250〜300食(390円)に増える。昨年9月に1号店として「ローソン姫路豊沢町店」を開発し、今年3月には2号店「ローソン大井店」。今後は「日販30〜40万円の店を閉めずに復活させるために導入し、70〜80万円の日販の店は後回しにする」(新浪社長)。プラス10万円以上の日販を狙う。


今週の目次




流通羅針盤


新 激戦地 ストアシーイングMAP1

埼玉県さいたま市 宮原・日進地区


激変上海 現地ルポ−3 似て非なる生活事情あれこれ

「成功の裏には、万の失敗あり」


SJ新店レポート

名古屋市内初の「EDLP型」店舗
 スーパーマーケットバロー堀越店
かつて店舗譲受したSM、復活をかけDSに転換
 FOOD OFF ストッカー千代川店


SJチェーンストアの危機管理シリーズVC

食中毒の発生事例から得られた教訓
カンピロバクターが食中毒の最大発生件数になったワケ


今週の業界トピックス

訃報 平和堂創業者・夏原平次郎氏が死去
イオン 新ジャンルビール「トップバリュ バーリアル」
日本アクセス 沖縄の大手食品卸ジーマ社と提携


メーカー情報

森永乳業とユニリーバ・ジャパン 紅茶事業拡大を目指して新営業体制発足


今週の開店情報一覧


ベルギービールの現状と展望 小西酒造の戦略と意欲

ヴェデット順調・デュベル堅調推移


南アフリカのワイン好調 合同酒精の「トールホース」

発売7ヵ月で12万本突破、追い風でさらに上昇中


業界動向

大手揃って減収も大幅増益達成、アクセス経常利益率1%


食品マーケティング

シーズンイン「うなぎ蒲焼」の販促
 ※養殖量トップの輸入中国産の動向がカギ握る
 ※池入れシラス減少で玉不足傾向
CVSのローソンが店内ビュッフェ導入を全国展開へ


清水信次の「やれば、できるんだ」我が流通人生の軌跡・37

あちこちから持ち込まれた「提携話」


関幸雄の流通コラム 流通戦略アドバイザー

もう一度縦割り組織に戻して、プロの幹部が現場を立て直す時


今週の大店立地法公示速報


交差点

菅政権、新成長戦略に活路を求める



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