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No.610-8/30

快進撃続ける「万代・魚崎店」
−本格的な“神戸進攻”の始まりだ

No.610号

  高校球児の熱戦が繰り広げられた甲子園球場から西に約10km。阪神電鉄・青木(おおぎ)駅を300mばかり過ぎたあたりの線路の北側に、万代が新店を出店した。オープンしたのは7月17日で、猛暑の中の盆商戦を経て快進撃を続けている。 売場面積が1,900uに満たないSMだが、人口密度が高く道路状況もいいことから、年商30億円をうかがい、早くも拠点店舗としてさらなる上積みも期待される勢いだ。安売りにルーツがあり、鮮度や品質も自信を持ったスーパーの本格的な“神戸進攻”の始まりだ。

万代の次には、年内に最大手・ライフの出店も


  東大阪市に本部がある万代だが、最近の出店エリアは大阪府下一円から兵庫県へも拡大している。中でも山と海に挟まれた狭い地域にびっしり人口が張り付いた神戸市内は、物件さえ出れば、狙いどころだ。


  魚崎店は神戸市内の店舗では春日野道(中央区)、小束山(垂水区)、神戸星和台店(北区)、北須磨店(須磨区)、伊川谷店(西区)に次いで6店舗目の出店だ。西宮、伊丹、宝塚、川西、尼崎にも店舗を拡大している万代にとって、次のドミナント化は兵庫県下ということになる。


  ところで、東灘区魚崎周辺は、昭和13年の阪神大水害、昭和20年の阪神大空襲、それに平成5年の阪神大震災と3度も「大災害」に見舞われた土地だ。その都度、不死鳥のようによみがえり、今は耐震の高層マンションが数多く建設されている。


  戦前から消費者運動をリードしてきたコープこうべの本拠が近くにあり、ダイエーが業容を最大限に拡大した港町・神戸。大震災の経済的な打撃は大きく、表面は復興したが、2重ローンを抱える人も多く、安さと品質・鮮度が伴ったスーパーの出店に住民は大歓迎だ。


  好調を続ける万代・魚崎店の北東2km、国道2号線沿いの神戸相互タクシー跡地にライフ本山店が年内にもオープンする。大店法の届け出でも売場面積は4,000クラスと大型。万代とライフはともに神戸では新顔に属するスーパーだが、パワーは強力。既存の各社にとっては「どうやって対策を立てようか」と誠に頭の痛い出店でもある。


今週の目次




流通羅針盤


今週の業界トピックス

ドン・キホーテ 3〜4年後の中国展開も視野に準備始める
ウォルマート 第2四半期売上高は2.8%増の1,030億ドル
イオン 新ブランドショップ「トップバリュコレクション」開始


今週の開店情報一覧


今 注目のマンナンヒカリ 進む大塚食品の拡販戦略

「ダイエットや食物繊維」目的に特化した新提案開始


SJ新店レポート

関連陳列増やしメニューを連想させる売場を目指す
 ヨークベニマル水戸浜田店
“進取の気性”に富んだ街に受け入れられた「万代商法」 次の一手は
 万代・魚崎店


関幸雄の流通コラム 流通戦略アドバイザー

「競争あれば発展あり」競争と刺激が企業を育てる


コンセプト明確に食生活の応援 大塚製薬の多角化戦略

進む健康維持・増進のための商品開発と販売強化


減塩こだわり戦略 ナリスウイングスB&Hの挑戦

超高圧技術を活用した「減塩醤油」


新連載 チェーン・スーパーマーケット企業への提案

(株)島田研究室・代表 島田陽介
今食品総合大型セルフ店という「業種」になっているスーパーマーケット


MDフラッシュ


企業動向

日粉、秋冬向け家庭用冷食の新商品は合計12品・下


食品マーケティング

冷食、下期新商品に味、品質の戦い  「弁当のおかず」多様化一途と卓上用のバリエーション
 ※マルハニチロ食品 つゆ、ソースかけ「弁当のおかず」路線から麺類・米飯へ
  坂井道郎社長談「商品開発の幅広がる」
 ※日清フーズ 具付き強化と「麺のみ」のプレーンパスタ、反応は?
 ※東洋水産 チルド麺基幹に冷食は「ソース焼きそば」


今週の大店立地法公示速報


交差点

サンマ漁獲の低調で量販店も困惑



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