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No.613-9/20

平和堂・名古屋市内に初進出。
“濃い味”文化を再度“味見”し直す

No.613号

  滋賀県を本拠とする平和堂が名古屋市内に初出店した。JR名古屋駅から南にわずか1.5km。大都市のど真ん中とも言える中川区豊成町に9月8日オープンした「平和堂豊成(ほうせい)店」。ドラッグストアを併設した売場面積1,157uのSMだ。尾張野菜や地元・豊浜漁港の鮮魚を前面に押し出し、惣菜類も名古屋の“濃い味”にこだわった。関ヶ原を越えて違う味文化を検証し直して、より地域にとけ込んだ店舗にする。今後は名古屋市西部を中心に、年間3〜4店のペースで出店していく方針だ。

「赤みそ文化圏を理解できていなかった」


  平和堂豊成店の立地は東京でいえば再開発で街の様子が一変したJR汐留貨物駅周辺、大阪なら現在、大規模な街づくりが進んでいる大阪北ヤード(旧梅田貨物駅)のはずれの雰囲気によく似ている。


  JR東海道本線、関西線、貨物の引き込み線、近鉄、名鉄、高速道路、中川運河に囲まれたところで、店舗は幹線道路・大須通りに面している。そんな“大障害物”の数々に囲まれて、URの豊成団地や住宅が張り付いているところだ。


  平和堂は中部圏進出に際し、手に入れたグランドタマコシをメインに、平和堂東海として、これまで愛知県と岐阜県で20店舗近く展開してきたが、赤字体質から抜けきれなかった。昨年、東海を本体に吸収。再度態勢を立て直し、今回の出店につなげた。


  開店の記者会見に臨んだ中田俊数常務は「赤みそ文化圏を理解できていなかったのも苦戦の原因」として、商品の仕入れにかかわるバイヤー・SVの教育や社内態勢から見直す考えだ。


  平和堂のある滋賀県は関西の「合わせみそ」文化で、東海地区は「赤みそ」が主体だ。関西からすると味が濃く甘さも伴っているので、これは越え難い壁だ。単に名古屋ブランドの商品を並べるだけでは、ダメだった。


  言葉で言うのはやさしいが、ほんとの意味で地域に根差したスーパーになるのは難しい。同じニチリウグループで全面的に“和歌山の味”をひっさげて東海入りしたオークワとは、また一味違う土俵で戦う平和堂の“東海戦略”に注目したい(20〜23頁に関連記事)


今週の目次




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