少子高齢化の人口減少時代に唯一人口の増えている都心部を狙って、小型スーパーマーケットに進出する企業が増えている。注目のイトーヨーカ堂も900u規模で東急ストア撤退跡に「イトーヨーカドー食品館阿佐谷店」としてオープンした。小規模ながらキッチンサポートコーナーを設置し、上質商品が25%を占める、ミールソリューション型高質SMだ。隣の西友が徹底的なEDLP戦略を取るのとは好対照な店づくりである。
「これまでの店はお客様に来て貰っていたが、この店では私どもからお客様の方へ近づいていきたい」(亀井淳社長)と、顧客満足度第一の戦略を掲げる。具体的には半径500〜700m内で高密度の人口がある商圏で、店舗面積500〜900u、年商20億円を基本に「生鮮4品と加工食品、デイリーなど通常必要なものは全て揃える」店づくりを行う。
出店パターンは都市部オフィス立地、都市部駅前立地、市街地住宅立地の三つに、リアル店プラスネットスーパー型を想定している。当初1年間は東京23区内を中心に10店(内1店は年内)を計画。首都圏に想定するマーケットは多くあると言い、居抜き、ビルインなどを中心に出店。「10店舗でノウハウを蓄積すれば、100店までは比較的順調にいける」(亀井社長)と自信を見せる。
セブン&アイグループのSMセクターはヨークベニマル、ヨークマート、シェルガーデンなどが担っている。今回IYが取り組むことについては「首都圏で300坪SMを展開するには新しいノウハウが必要。ヨークマート、セブン‐イレブン、シェルガーデンなどといろいろ話し合った上でIYが行っている。首都圏では配送網などIYのインフラを使う方が安くできる。出店能力などを含めてIYの方が良い」(亀井社長)と説明。
1号店の高質SM路線はIYの効率志向経営手法とは異なるだけに1号店の成否が注目される。
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