京阪百貨店はこれまで京橋、守口、枚方、樟葉といった沿線の駅に直結する店舗を展開していた。今回は本拠の守口から直線6kmと離れた場所で、しかもJR住道駅前とはいえ、徒歩3分の少し微妙な距離がある立地への出店だから、新たな発想が必要だった。
クリームと黒を基調にした「しょうしゃなプチ百貨店」。20〜40歳代の団塊ジュニア層を中心としたニューファミリー層が多い地域にふさわしい外観で、お出かけやよそ行きといった百貨店特有の“とりすまし感”はなく、気軽に入れるのが第一だ。
地上1階〜3階で売場面積は1万u。1階は食品、2階はファッションとビューティー、3階は大型書店、靴、メンズファッションのテナントが入っている。1階の食品フロアはホットな「デパイチ」ゾーンで、マルシェ(市場)のような雰囲気を出している。
特に宮崎ハーブ牛がウリの畜産と境港直送の水産は一直線の配置で、直営売場のパワーをいかんなく発揮している。菓子や調味料など百貨店ならではのこだわり品を集めた「美味折々」「美味衆合」コーナーも直営だ。各部門でお値打ち品を提供する「火曜100円市」には、夕方のにぎわいが朝にも見られる。
「すみのどう店」で目に付くのは、カートで買い物する人の姿が多いことだ。通路が広く、集中レジを採用したこともあるが、百貨店ではまず見掛けない光景だ。百貨店とスーパーの良さをミックスしたような新風景。これから年末にかけて、流通人の野崎参りならぬ「京阪・住道詣で」が増えそうだ。
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