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No.618-10/25

お散歩感覚「高頻度来店型カジュアル百貨店」
−新スタイルに京阪が挑戦

No.618号

  大阪と京都を結ぶ京阪電気鉄道。グループの京阪百貨店が10月8日、JR学研都市線・住道駅北300mのSC「ポップタウン住道オペラパーク」内に「すみのどう店」をオープンした。京阪沿線以外の立地に出店するのは初めて。大阪のキタやミナミのターミナル百貨店とは一線を画した“新スタイル、お散歩百貨店”がコンセプトだ。「親近感・にぎわい・日常性」をアピールしながらも、従来のスーパーにはない百貨店本来の「こだわり・おもてなし」を併せ持った展開が特徴だ。直営の水産、畜産、菓子売場がある1階の食品フロアは連日にぎわいを見せている。「高頻度来店型カジュアル百貨店」という新しいビジネスモデルは、すんなり受け入れられたようだ。

直営売場が強み。百貨店とスーパーの良さをミックス


  京阪百貨店はこれまで京橋、守口、枚方、樟葉といった沿線の駅に直結する店舗を展開していた。今回は本拠の守口から直線6kmと離れた場所で、しかもJR住道駅前とはいえ、徒歩3分の少し微妙な距離がある立地への出店だから、新たな発想が必要だった。


  クリームと黒を基調にした「しょうしゃなプチ百貨店」。20〜40歳代の団塊ジュニア層を中心としたニューファミリー層が多い地域にふさわしい外観で、お出かけやよそ行きといった百貨店特有の“とりすまし感”はなく、気軽に入れるのが第一だ。


  地上1階〜3階で売場面積は1万u。1階は食品、2階はファッションとビューティー、3階は大型書店、靴、メンズファッションのテナントが入っている。1階の食品フロアはホットな「デパイチ」ゾーンで、マルシェ(市場)のような雰囲気を出している。


  特に宮崎ハーブ牛がウリの畜産と境港直送の水産は一直線の配置で、直営売場のパワーをいかんなく発揮している。菓子や調味料など百貨店ならではのこだわり品を集めた「美味折々」「美味衆合」コーナーも直営だ。各部門でお値打ち品を提供する「火曜100円市」には、夕方のにぎわいが朝にも見られる。


  「すみのどう店」で目に付くのは、カートで買い物する人の姿が多いことだ。通路が広く、集中レジを採用したこともあるが、百貨店ではまず見掛けない光景だ。百貨店とスーパーの良さをミックスしたような新風景。これから年末にかけて、流通人の野崎参りならぬ「京阪・住道詣で」が増えそうだ。


今週の目次




流通羅針盤


SJレポート 普及期に入った流通BMS@

流通5団体が初めて普及のためのパネルディスカッション開催(上)
 インターネット時代の次世代EDIとして期待される効果と課題
スーパーマーケットにおける導入事例
 近商ストア・情報システム部長安井直洋氏に聞く
流通BMS支えるITベンダー
 中小中堅SMへの導入に注力する日立情報システムズ


SJ中間決算レポート(GMS篇)

黒字転換はイオンリテール、ユニー、イズミヤなど4社
 10社計の営業利益は174億円と大幅増


SJ新店レポート

新NSC1号店の核店舗、コンセプトはライフスタイルセンター
 ヤオコー佐倉染井野店
地場商品を充実した地域密着型店、ドラッグのカワチとNSC形成
 ヨークベニマル栃木祝町店


関幸雄の流通コラム 流通戦略アドバイザー

小売業は商品が最も大事。次に人、店舗。昔と順番が逆転


今週の業界トピックス

イオン、イトーヨーカ堂 野菜緊急大放出!
メトロ 東京23区内に初出店


今週の開店情報一覧


穀物と豚肉市場の動向 フリーデン 小俣勝彦流通本部長に聞く

豚の内臓肉はMD再構築のターニングポイント


地酒の魅力提案に注力 国分 蔵元会展示きき酒会開催

52蔵が地方酒の旨さと品質を競う


業界動向

消費者庁、トランス脂肪酸の表示義務化で11月検討会設置


食品マーケティング

チルド麺、熱波の反動、秋・冬の巻き返しは?
東洋水産「鍋用ラーメン」に新・トマト鍋を前線に
 ※マルハニチログループが豊洲へ移転
先行はアクリフーズの11月13日


今週の大店立地法公示速報


交差点

プロ野球の優勝セール



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