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No.620-11/8

開放感あふれる売場。
バローの子会社・ユースが長浜市に出店

No.620号

  琵琶湖の東北部にある人口12万人余の滋賀県長浜市。周辺の町や郡の合併で大津市、草津市に次ぐ大きな市になった。10月21日、同市神照(かみてる)町の敦賀・福井に通じる国道8号線(長浜バイパス)沿いに、福井を本拠とするユースのSM「長浜店」がオープンした。岐阜から東海地方などに急速出店を続けるバローの子会社となって5年半。ユースの独自性を維持しながら、バローのPBや焼き立てパンの「北欧倶楽部」を導入した店舗は青果から鮮魚、ベーカリーやデリカといった即食ゾーンを奥まで見通せる。開放感あふれる売場だ。

関西中心に北陸、東海の味文化にも対応


  長浜は関西圏でありながら北陸、東海の影響も受けている珍しい地域だ。「阪神タイガースに中日ドラゴンズのファンが混じる」と言ったら、分かりやすいだろうか。味文化も同様だ。麺類はうどんが強く、関西では弱い納豆が良く売れる。北陸に近いだけに、サバの丸焼きも並ぶ。こうした地域性を品揃えに反映させた。


  「中の島」を低くしたため、店内は奥まで見通せ、開放感は群を抜いている。焼き立てパンのあるコーナーとデリカをくっつけ、買ってすぐ食べられる「即食」スペースを充実させた。弱かったグロサリーはバローのPBが随所に入ったので、安さのスケールメリットが出ている。


  長浜市は古くから湖北地方の中心地で、城下町、門前町、北国街道や琵琶湖水運の要衝として発展した。商業も根付いていたが、工場が集積し人口が張り付くに連れ、大型店が進出。西友長浜楽市店、平和堂アル・プラザ長浜、ジャスコ長浜ショッピングセンターが2km圏にひしめく激戦地になった。


  親会社のバローは滋賀県内に彦根市、草津市、守山市、東近江市に4店舗展開している。ユースは同じ長浜市北部の高月に出店しているので、長浜店が2店目となる。しかし、知名度はまだまだ低いので、特価とPBを武器に戦う。


  長浜市は来年のNHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」の舞台となる。空洞化した商店街を「黒壁のある街」として再生した長浜市を訪れる観光客も増える。3つの大型店の隙間マーケットを狙って果敢に挑戦する長浜店。駅から3km近く離れているが、流通関係者としては、ぜひ見学に加えたい店舗である(次号に新店レポートを掲載予定)。


今週の目次




今週の業界トピックス

イオン アジア事業拡大に2,100億円投資(3年間合計)、世界3本社体制へ
スーパーバリュー 新店の戦力アップのため居抜き出店は見送る
ミスターマックス 下期は福岡県に2店、埼玉県越谷市に1店出店
スリーエフ 人気シェフとマドンナ達のスーパーコラボスイーツ発売


MDフラッシュ


今週の開店情報一覧


SJ新店レポート

既存店を増床し、メニュー提案型のSMへと業態転換
 フードスクエアカスミ茂原店
新MDのオリジナル商品で差別化図るミールソリューションSM
 たいらや小山本郷店


ハマさんのコーヒーブレーク・80 コラムニスト 浜本經道

リニア新幹線はいらない


チェーンストア・コンビニ9月度販売概況

記録的残暑とタバコ値上前特需で全業態上昇
 コンビニの既存店売上2ケタ増、SM、GMSもプラス


業界動向

 2010歳暮ギフトでは前年販売水準の必達と若干増狙う


日本酒の現状と課題

前年比92%の現実を探る
 できるか!商品・売場・売り方改善と抜本的意識改革
オエノンの下期商品戦略
 オエノンの1〜6月は前年比110%
小西酒造の新商品と営業戦略
 純米酒の4合瓶強化で燗酒を訴求


食品マーケティング

※メトロ業務向けスーパーの都心部攻勢へ
 先月末、都内江東区辰巳に大型店を出店
※テーブルマーク「魚沼水の郷工場」11月1日稼動
 冷凍うどん・パック御飯の最新鋭工場


今週の大店立地法公示速報


交差点

ランキング付けの難しさ



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