≫ウィンドウを閉じる


No.632-2/14

空白地帯埋めるも、極端に薄い足元商圏。
「吸引力ある売場づくり」急務

No.632号

  SCからSMまで滋賀県内にくまなく店舗を展開する平和堂で、唯一出店がなかった蒲生郡竜王町に2月6日(日)、近隣型SC「Friend Town 竜王(フレンド タウン リュウオウ)」がオープンした。SMのフレンドマート竜王店を核に、ドラッグや100均ショップなど10の専門店が入る。店舗前には役場や商工会議所があり、公民館や図書館も隣接するが、半径500mで74世帯、324人と足元の人口は極端に薄い。買い物に不便だった住民は、「来てくれて、ありがとう!」と大歓迎。昼食の弁当需要に期待が掛かるが、店舗裏手の広大な畑の向こうからも来店してもらえる「吸引力ある売場づくり」が急がれる。


「知名度と認知度は別物」の具体例


  フレンドマート竜王店の周辺には蒲生店(直線4.5km、直営540坪、売上高14億円)、八幡上田店(同5.5km、460坪、14億円)、菩提寺店(同4.5km、260坪、9億円)、篠原店(同6.6q、330坪、10億円)、甲西店(同6.3km、330坪、11億円)と平和堂は5店舗展開している。


  竜王町の人口は3,902世帯、1万3,107人。今回、店舗がなかった地域の真ん中にオープンした竜王店。街の中心機能が集まる小口地区だが、店舗の東500m、綾戸交差点南のAコープは2月末で閉店が決まっている。半径5km圏には食品スーパーはないという「独占的な立地」のようだが、現実はそんなに甘くはないようだ。


  平和堂は2008年11月、甲賀市に「Friend Town KOKA」をオープンした。今は昨対120%と絶好調のNSC第1号店も、スタート当初は苦戦した。社内の「不振店対策ミーティング」で取り上げられるほどだった。去年オープンした福井の開発(かいほつ)店も、今は認知度が高まるのを待つ状態だという。


  「広域から集客するNSCだが、エリアに密着した商品が何か、当初はなかなか分かりにくい。1号店の甲南店を例にとると、田舎で農家が多い。農作業をするとどういったものが売れるか、汗をかくので、味付けは塩がたくさん入っているものが売れる。彦根の本部で考えると『塩は健康に悪い』となる」。


  「都市部は小家族化しているから単品売りが多い。農家は大家族が多いので、ケース販売が多くなる。そのあたりのエリアの需要をつかむには、ある程度の時間が必要だ。オープン当初の売場というのはあくまで本部が考えただけのもので、作った売場だ」。松井一夫取締役店舗運営本部長の分析は具体的だ。平和堂の知名度は抜群だが、業態の認知度は別物ということだ。


今週の目次




流通羅針盤


今週の業界トピックス

オークワ 富田屋と業務提携
モリヤ 民事再生手続き中のモリヤ、スピードパートナーズが支援
ドン・キホーテ 業績快調、来期経常利益率6%が視野に
大黒天物産 低価格戦略が奏功し2ケタの増収増益
神戸物産 10周年セールで客数を大幅に伸ばす
神戸物産 介護食に参入、2月から全国の店舗で販売
コストコホールセールジャパン 今年夏に座間、前橋、京都八幡の3店を出店
主要コーヒーメーカー 国内IC最大手のネスレ、3月から約11%値上げ


MDフラッシュ


今週の開店情報一覧


SJ新店レポート

地下1階のこだわり食品専門館、3年半ぶりに営業再開
 ピーコックストア@中野マルイ
富士山に最も近い店、自然の恵みを活かす。エコにも取り組む
 マックスバリュ富士宮万野原店
2フロアの旧店を閉鎖、300m移動してワンフロアに
 ベイシアスーパーセンター大泉店


大塚製薬2011戦略

@南フランス発の「ジェルブレ」
 昨春からのテスト販売成功 本格販売の地歩固めへ
大豆飲料「SOYSH」を本格販売
 通信販売4ヵ月で100万本を突破


企業動向

昭和産業、次期中期経営計画で中国事業強化など模索!


食品マーケティング

菱食、2011年ソリューションフェア東京
<2月16日〜17日開幕>
米粉の多彩なメニュー開発進む
 ※日東ベスト、フレンズスイーツ、学校給食向けへ
 ※ニチレイフーズ、業務向けフライの衣を開発


ハマさんのコーヒーブレーク・83 コラムニスト 浜本經道

商品を置かない小売店


今週の大店立地法公示速報


交差点

食糧消費支出の継続的変化



≫ウィンドウを閉じる