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No.642-4/25

カスミ、「地元農業を支え合おう!」キャンペーン、
全店で展開(水戸赤塚店)

No.642号

  東日本大震災での福島原発・放射能問題で風評被害に苦しむ地元農家を支援しようと、カスミ(本社茨城県)は茨城、千葉、埼玉、栃木、群馬、福島産の農産物の販売セールを4月15日〜18日、全店で大々的に行った。青果部門だけでなく精肉、日配、グロサリーなど他部門でも地元野菜を使ったメニューを提案、今後も地元商品を中心に販売を強化していく。


地元密着SMのあるべき姿示す


  風評被害に苦しむ地元農家を、小売業、消費者のみんなで支え合おうというキャンペーンをカスミが始めた。茨城に本社を置くカスミは自身も東日本大震災の影響を受けた被災企業。共に手に手を取って皆で元気になろうという呼びかけでもある。


  茨城県の野菜は、福島第一原発の事故による放射能問題でホウレンソウが出荷停止になったことなどにより、今がピークのレタスで大幅な卸値の下落に見舞われるなど野菜全般に大きな風評被害が出ていた。


  キャンペーンは4月15日(金)〜18日(月)の4日間、ほぼ全店で展開した。レタスを始め、きゅうり、トマト、ピーマン、白菜、みず菜、ちんげん菜などほとんどの野菜を茨城産で占め、福島のなめこ、栃木のいちごなど周辺県の野菜も取り揃えた。


  同社では2000年から、店長が地元商品を発掘して育成していく政策を展開していたが、今年3月に社長直轄組織として「地域商品開発」を新設、地域商品の育成に再び注力し始めていた。今回のキャンペーンもその一環と同社では位置づけていて、青果では以前から地元野菜直売コーナーを設けており、現在971名の生産者が参加している。今回もこうしたコーナーを中心に生産者が店頭に立って地元野菜を売り込んだ。また、青果部門のみならず、精肉、日配など多くの部門で地場野菜を使ったメニュー提案を行った。さらに、トマト、レタスなどドレッシングを掛けるだけで簡単に提供できるメニューを試食に出して、「もう一回、茨城の野菜の味を知ってもらう」とあらゆる手段を通じて「茨城」を売り込んだ。


  結果、点数でレタスが前週比182%、にら、大根、キャベツが120%前後と、震災前の状態にV字回復した。お客からも「安全な野菜なら地元の物を買いたい」と支持する声が多かった。


  地元の産業を消費者と共に盛り上げようとするカスミの姿勢は、まさに地元密着型産業であるスーパーマーケットのあるべき姿と言えよう。


今週の目次




流通羅針盤

店舗の活力を削ぐような節電対策は避けなくては


SJ震災レポート

ローソン 「元気になろう」日本プロジェクト始動
ファミリーマート 今期は客数減を想定し、客単価アップ狙う


今週の業界トピックス

日本チェーンストア協会 新会長に清水信次ライフ会長兼CEO内定
イオン北海道 新社長に柴田祐司氏が就任


SJ決算レポート(GMS篇)

コスト削減で営業・経常利益は大幅増に
 増収増益はイオンリテール、イズミとフジの3社


SJ新店レポート

売場照明は全てLED、300坪だが、4m強の天井と1.8mの陳列棚で開放的に
 いなげや川崎下小田中店
午後はゆったりとワインを提案、朝はクイックニーズに対応
 キノクニヤ アントレ エキュート上野店
「神戸から元気を発信」MEGAドンキ、周辺各店に「価格挑戦状」
 MEGAドン・キホーテ神戸本店


現代に生きるこだわりの精神

大手が商品を十分に商品供給できない今、
地方こだわりメーカーに求められること、期待したいこと
 ビバレ・ジャパン


SJ食品衛生レポートTB

新入社員に必要な「食品衛生知識」
 「放射能問題」ベクレルやシーベルトの正しい理解を、もちろん「正しい手洗いも身に付けて」


関幸雄の流通コラム 流通戦略アドバイザー

夏場に向け問われる節電、停電、風評被害などへのマネジメント力


業界動向

今夏の計画停電に大手CVSが相次ぎ具体策打ち出す


「ティーブティック」に新商品

「サングリアのためのハーブ」と「シーズン ベスト」


チラシは店の顔 効果的な使い方の提案

有力な武器を活かしきってないスーパーマーケット


食品マーケティング

冷食、上期・売れ筋販促強化特集(シリーズ)
 ※マルハニチロ食品、苦闘(東日本大震災、仙台・石巻工場被災)の中で営業
新中華街シリーズに新提案〜新嗜好の「弁当のおかず」へ
 ※テーブルマークが被災地で2度目の熱々うどん、炊き出し
 ※食品包装・資材供給、東北の被災工場からの代替需要で遅れ


今週の大店立地法公示速報


交差点

また再建しましょう



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