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No.667-11/7

試してから買える売場にチェレンジ
(サミットストア成城店に初導入された「おためし家」)

No.667号

  「こちらからお声がけはしません」、「ご意見やご質問がありましたらお気軽にお声がけください」と手書きのボードに掲げられた「おためし家(や)」は、サミットが初導入したセルフサービススタイルの試食コーナー。従来の試食宣伝販売とは一線を画し、店が売り込むために試してもらうのではなく、客自らが好みを見つけるために試してもらう。例えば洋服を試着してから買うように、サミットの商品も試食してから買うことができたら…。というコンセプトの基にスタートした。10月26日にオープンした「サミットストア成城店」は同社100号店となる節目の店。「“あったらいいな!”の実現」のため、様々な実験にチャレンジした。


将来を見据えた新フォーマット


  サミットが10月26日に東京都世田谷区内に出店した「サミットストア成城店」はちょうど100店目。お客のライフスタイルや意識の変化を捉え、将来に向けた新しい店舗フォーマット確立のための実験的店舗と位置づけ、様々な取り組みに挑戦している。売場の最大の特徴は、常設された「おためし家(や)」だ。「メニュー提案コーナーではない。とにかく味見してもらうこと」(サミット田尻一社長)を最優先した。約2.4坪の長方形のスペース。その2辺に対面式のカウンターを設け、常時1人の従業員が基本的には朝10時〜夕方6時まで稼動する。客からのリクエストに応えながら毎日6アイテムほどの商品を試食・試飲できる。


  成城店では、従来の素材中心のMD発想から「食事そのもの」や「半加工・半調理」といった、その中間にあるような商材のMDにも注力する。この結果、内食素材の提供だけでは解決することができない課題である「生活者の欲求」に応えた店作りにも取り組んだ。その一例が、青果売場の中に組み込まれた「フレッシュサラダコーナー」。野菜だけではなく、肉や魚、デリカの生野菜系サラダを一堂に集め、カットフルーツも含めて全て店内加工で展開。量り売りコーナーも設けると共に、若い女性に人気のある蒸し野菜も提供する。


  肉や魚売場の一部にはデリカや半調理品もコーナー化。総菜売場では昼や夕方のピーク時に、出来たて商品を好きな量だけ提供する販売方法も採用する。


  売場中央のゴンドラのグロサリー売場や青果売場では、超クロスマーチャンダイジングと呼べるような売場展開にもチャレンジした。青果売場のサラダ野菜コーナーの近くに「マヨネーズ・ドレッシング売場」を配置。さらに、「パスタ市場」と名付けられたコーナーでは、常温・冷蔵・冷凍の3温度帯のパスタ関連商材を集めた。その隣の「ハーブ&スパイス市場」では、常温のスパイスと冷蔵のフレッシュハーブを同じシマで陳列。従来の品種別陳列から用途別の陳列へと、売場の括りを大幅に転換した。「あえて商品を分散化。店内の作業は従来よりも煩雑になり、今までのチェーンオペレーションからは逸脱した店」と田尻社長。「今後、色々な問題が出てきて修正していく必要があるだろう。次なるモデルとなる店を作っていきたい」。


今週の目次




今週の業界トピックス

西日本鉄道 あんくるふじや買収し、100%出資
協同組合セルコチェーン 設立50周年記念大会を盛大に開催
全日本食品 本部主導型店を毎年数十店計画


今週の開店情報一覧


セミナー案内 惣菜・デリカ、鮮魚部門の売れて儲かるセミナー


SJ新店レポート

1q圏にひしめくSM競合店「都会仕様にMD改革を急ぐ」
 平和堂 フレンドマート西淀川千舟店
導入した商品、強化部門21項目
 マックスバリュグランド千種若宮大通店
生活者の欲求に応える新発想の実験店
 サミットストア成城店


MDフラッシュ


非縁社会のぬくもり・5 小澤信夫

高円寺北口の中通商店街にある
倉持惣菜店のおかみさんの顧客・若者への優しい励まし(後編)


チェーンストア・コンビニの9月度販売概況

猛暑・タバコ特需の反動、大型台風で全業態が不調
 セブン−イレブンのみ既存店プラス、東北のSCも復興で好調


食品マーケティング

※ケイエス冷食、簡便な「レンジでプラス」の訴求
  内食の個食化へ少量・多品種のニーズ対応
※マルハニチロHD、3月期第2四半期決算は減収増益
  震災工場を他にシフトで急対応
※フジッコの新戦略、レンジで「朝の食べるスープ」に挑戦


企業動向

昭和産業、中国に最新鋭のプレミックス工場建設


今週の大店立地法公示速報


交差点

TPPと関税障壁のハザマ



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