B級ご当地グルメの祭典「B−1グランプリ」が11月12、13日の2日間、兵庫県姫路市で開催され、51万人の人出があった。1位のゴールドグランプリには岡山県真庭市の「ひるぜん焼きそば」が輝いた。「年々盛んになるこの催しを何とかスーパーの販促に使えないか」――食品卸最大手の三菱食品や日清食品グループ、東洋水産、アサヒビールといったメーカー、広島と北九州でチェーン展開する「ユアーズ」の小売りがタッグを組み、店内で売り込んだ。13日の関連売上だけで2億円を突破するなど、こちらも盛況だった。
ユアーズでは13日の日曜日を中心に59店舗でセールを開催した。そのうち15店舗では11月初めから2週間にわたって専用コーナーを設け、主に冷蔵ケースに集合陳列する形で販売した。全国の駅弁を集めた「うまいもの大会」とかぶせたのも良かったようだ。
扱ったのは「ひるぜん焼きそば」「津山ホルモンうどん」「八戸せんべい汁」「四日市トンテキ」「静岡おでん」など10数アイテム。チルド商品が多い中で唯一の調味料「十和田バラ焼きのタレ」(¥498)などは試食付きで牛バラ肉を販売。商品部を巻き込んだ社内コラボも成功した。
「2年前からイベントの変わり種を探していた」(ユアーズ 販売促進部・内田俊之氏)というのが、ズバリ当たった格好だ。対象商品が揃ってきたのも追い風になった。三菱食品が間に入ることで商品や「B-1グランプリ」の販促物の調達がたやすくなった。イベントがテレビなどで報道されることで認知度が上がり、お客の反応も良かった。
リピートが入った「せんべい汁」は追加発注を掛けたが、製造が追いつかないとかで、入荷の見通しが立たないという。この種のイベントにありがちな「売れ残ったら、どうしょう?」という心配がなく、ほぼ売り切った。
ミシュランの三ツ星店が話題になる一方で、根強い人気がある数百円で楽しめる地元の味「B級グルメ」。地域の活性化につながる「まちおこし」イベントとして定着したようだ。大手チェーンではなく、地元に密着したスーパーからこの種のセールスプロモーションが始まったのは、うれしい話だ。来年の「B-1グランプリ」は10月に北九州で開催される。
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