No.671-12/5
アリオ倉敷とMOP開業で、一気に流通激戦地に変ぼうした吉備路
イトーヨーカ堂が全国で展開しているモール型SC「アリオ」が中国地方に初進出した。岡山県倉敷市のJR倉敷駅北口の倉敷チボリ公園跡地に11月25日オープンした「アリオ倉敷」がそれで、核店舗は「食品館イトーヨーカドー倉敷店」。121店の専門店とともに出店した＝写真。12月1日には「アリオ倉敷」の西に2階デッキで連結する形で三井アウトレットパーク（MOP）倉敷」も開業した。アリオの後方、直線2.5kmでは「イオンモール倉敷」が増床・改装オープンしたばかりで、大型店の無風地帯とされた吉備路は、流通大手の直接対決で、一気に激戦地に変ぼうした。
「顔が見える売場」が続く
鉄骨造り2階建て延べ58,000㎡のSC全体の店舗面積は16,500㎡。表紙の写真にあるように、瀬戸内の近海魚を集めた鮮魚売場やインパクトのあるDELIKAのサインとともにオープンキッチンで調理する惣菜コーナーなど、食品館の売場は3,650㎡と広い。
食品館全体の印象は、テナントを導入するのではなく、広い売場を全て直営でこなしている点だ。レイアウトも直線のゴンドラが整然と並ぶストレートタイプではなく、コーナーごとに「顔が見える」売場になっている。専門店は人気のドーナツチェーンなど岡山初が68店もあり、地元の天満屋も中四国の特産品や工芸品を取り揃えたショップを出店している。
店内で目立つのは、天井から吊り下げられた「イトーヨーカドーの安心宣言」という大型看板だ。国内産の牛肉は全頭検査済みで、「顔が見える野菜・果物」は安心を届けるための商品検査、資材調査、土壌検査の「3つの取り組み」を行い、「あたたか米」は指定産地倉庫と精米工場で国が定めた調査と自主検査を実施――「だから安心！」という訳だ。
アリオが定めた商圏は半径10㎞圏内で21万世帯、約54万人。アリオとMOP合わせて年間約800万人の来店と300～350億円の売上を見込んでいる。これまで中国地方のドル箱SCだった「イオンモール倉敷」も、アリオ開業前の10月までに増床や食品フロアの大改装などを実施、アリオ対策を打ってきた。
これまで岡山県は70万人クラスの人口の割に天満屋本店ぐらいしか大型店がない “無風状態”だったが一転、2強のがっぷり四つの戦いが始まった。JR岡山駅南ではイオンのSCも計画され、まさに風雲急の展開になってきた。
今週の目次
新 激戦地 ストアシーイングMAP 1
那須地区 那須塩原市・大田原市（栃木県）
ＳＪトップインタビュー
業界団体の利害得失を離れ、消費者と共に
国民の代表として、生活を守るために動く
国民生活産業・消費者団体連合会 世話人代表 清水 信次 氏 に聞く（下）今週の業界トピックス
ライフコーポレーション 創業50周年 感謝の夕べに1,300名が参集
ファミリーマート “おとな”コンビニが東京・代官山に
サークルKサンクス 日航系JALUXと空港内にコラボ店舗を出店
東急電鉄グループ 「渋谷ヒカリエ」来年4月26日開業
日本アクセス 2012年第2四半期は大幅増収で経常4.9％増益
大塚食品・道場六三郎トークショー 「素材の良さを引き出す方法で」今週の開店情報一覧
ＳＪ新店レポート
450坪タイプの2号店、ドライグロサリーの自動発注システム導入
ヤオコー若葉駅西口店
「フダン グラン」に建て替えオープン、対するイオンはサティを全面改装
フジグラン広島
春日部市内に初出店。屋上駐車場を設置し、車での来店増を見込む
ベルク春日部緑町店チェーンストア・コンビニの10月度販売概況
タバコ買い控えの逆反動でコンビニ、2ケタ増の好調
GMSも秋冬物好調で上向く、東北地区は復興で好調非縁社会のぬくもり・7 小澤信夫
美味しいコーヒーを広めたい もっと皆に知ってもらいたい
「こだわり」への招待 選択自由だが時代は変化28
安売競争とこだわり商品は無関係食品マーケティング
＜シリーズ、市販用・冷食の売れ筋を追って＞
日清フーズ、レギュラー品と付加価値メニューの二極化へ
※お弁当用から生パスタ、ファインセレクションまで
東洋水産、袋入り即席麺「正麺」11月発売
※新技術での開発に購入者の反響待ち？今週の大店立地法公示速報
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