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No.674-12/26

SC化する高速道路サービスエリア

No.674号

  中日本高速道路の子会社・中日本エクシス(本社=名古屋市)は高速道路サービスエリアの複合商業施設化に取り組み始めている。施設名称は「エクスパーサ」。これまでのパーキングエリア(PA)やサービスエリア(SA)の概念を越える意味で、EXとPA、SAを組み合わせた造語。同施設は数多くの人気店を導入してグルメ・ショッピングゾーンの充実を図ると同時に、ゆとりのある快適空間の創造、ぷらっとパークの整備、地産池消の推進による地域交流の活性化を図り、商業施設が持つポテンシャルを徹底的に追求していく。今後、高速道路内のSC化が加速していく模様だ。


高速道路内にも競合出現


  12月15日、東名高速道路上り線のサービスエリア内に複合商業施設「エクスパーサ海老名」が開業した。同施設を運営する中日本エクシスが「エクスパーサ」の1号店を出店したのは2010年9月17日の東名阪自動車道の御在所サービスエリア上下線から。同年11月に名神高速道路の多賀サービスエリアの下り線と東名高速道路の足柄サービスエリア上下線にも開業し、2011年11月25日には中央自動車道の談合坂サービスエリア下り線内にも出店している。現在7エリアで展開しているが、今後も既存サービスエリアを改良して2015年度までに「エクスパーサ」をさらに2ヵ所オープンする予定だ。


  海老名サービスエリア上り線は、東名最後のサービスエリアとなる。今回は「食べたい・欲しい」だけでなく、帰宅後や翌日までのニーズに応えたモノとコトが揃った施設に。デリカやスイーツなど土産物だけでなく自家需要を満たす成城石井の店を含め計28店が1階と2階で営業する。サービスエリア内に計28店のショップが営業するのは最大。延床面積3,841uの既存施設に12億円の投資をかけ大幅に手を加えて改装し、年商目標は70億円を掲げている(全国のサービスエリア内でトップ)。


  来年5〜6月に開通予定の新東名高速道路は、御殿場ジャンクションから三ケ日ジャンクションまでの全長162q。土地含めた総投資額は2兆5,710億円という巨大プロジェクト。静岡県内に開通する新東名の中には駿河湾沼津SA〜浜松SAまで上下線合わせて13ヵ所のSAとPAができ、複合商業施設としての開設を計画している。


  これまで海老名サービスエリアの下り線では計20店が営業し、トップの売上を誇っていたが、今回、上り線を「エクスパーサ海老名」として改装したことで、トップが入れ替わる見込み。データでは、海老名サービスエリア付近の1日の平均通行量は上下線合わせて13万台、1日のサービスエリアの利用者数はこれまで下り線が2.5万人で、上り線が2万人だったという。


今週の目次




流通羅針盤

都市部出店が加速、稼げるフォーマット確立が喫緊の課題


今週の業界トピックス

日本チェーンストア協会 2011年チェーンストア10大ニュース
イオン トップバリュセレクト新物ボイルたらばがに販売拡大
イオンリテール 12月売上は昨年の特殊要因の影響でやや苦戦


今週の開店情報一覧


SJ新店レポート

高速道路サービスエリアに初出店、24時間営業で青果も売る小型SM
 成城石井海老名SA上り店
震災で営業不可能の旧店に替わって、既存SCの中に新店を移転
 エコス笠間店
ドミナントエリア内に出店、顧客に潤いをあたえる店を目指す
 ヨークマート花見川店
駅前立地でSM単独店を出店“中部流通戦争が本格化”へ
 平和堂中小田井店


関幸雄の流通コラム 流通戦略アドバイザー

チーフ制からチーム制に移行して部門横断的な店舗経営に


豚肉の流通事情 フリーデン 安西哲哉営業統括部長に聞く

生肉から内臓肉まで消費者が楽しく選べる売場対応
 「売れる豚肉売場の提案50年」のフリーデンとやまと豚の戦略


国分が『tabete』ブランド K&Kに匹敵する大目標

使い方・食べ方・楽しさテーマに提案
 商品軸から生活軸の組み合わせへ


企業動向

有力トイレタリー小林製薬、東南アジアなど海外展開加速


食品マーケティング<シリーズ、市販用・冷食の売れ筋を追って>

テーブルマーク、‘真健鶏’「グリルチキン」定着の兆し
 *売れ筋ランクアップに「新鮮卵のチーズ入りオムレツ」等々


今週の大店立地法公示速報


交差点

激震のあとに深まる混迷



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