昨年の未曾有の出来事。3月11日の東日本大震災は多くの日本人の生活と防災に対する考え方に大きな変化をもたらした。大津波によって多くの命や建造物が失われた。福島第一原発も津波による被害を受け、今に至るまで放射能汚染は大きな問題として残されたまま。将来に渡る漠然とした不安が蔓延し、消極的なマインドも働いて、経済全体の減速に起因する消費不況の突破口が見えない状況に陥っている。だが、被災地ではすぐに震災復興がスタートし、スーパーやコンビニは次々と復活してライフラインとしての役割を発揮している。今年は、震災後を乗り越え、明日への希望を見出さなくてはいけない。
東日本大震災で地震と津波による被害を受けた東北地区の小売店は数多い。流通最大手のイオンも自然災害の影響を受けた。同社で最も被害の大きかった店は、海岸線から1kmの距離にあるイオン多賀城店であり、大津波で1階の食品売場やゲームコーナーがグチャグチャになり、しばらくは2階だけで営業した(8月10日には1階も含めて営業再開)。イオン気仙沼店も1階が被害にあい、ゴールデンウィーク明けまで屋上や2階だけで営業した。イオン仙台幸町店は3月21日に部分営業し、その後も復旧の準備を進めている最中の4月7日夜11時に余震にあったため、全館営業再開が4月下旬にずれ込んだ。マックスバリュ塩釜店は6月25日にザ・ビッグに業態転換。イオン石巻店は3月11日〜26日まで被災者の避難所として利用され、3月31日から営業を再開した。
災害にあった時、地域の人に小売店が頼りにされていることが証明され、実際、地域住民の生活を守るために、ライフラインとしての役割を確認した。商品を供給するだけではなく、防災拠点として大型のショッピングセンターが活躍した。
イオンは11月3日に仮設店舗を陸前高田市、12月18日には大船渡市にもオープンしており、今後も買物するのに不便な被災地に仮設店舗の展開を進めていく方針。現在は仮設店をベースに、買物に行く手段のない場所に、車で移動販売も実施する。これらは商売というよりも被災者への生活支援としての役割が大きい。
昨年は本当に悲惨な出来事ばかりがあった。大地震、大津波、放射能汚染。海外ではギリシャを始めとしたヨーロッパ諸国の財政不安。自然災害の被害を受けた日本の経済も円高や財政不安などの、負の要因が付き纏っている。世界に例を見ないほどの急速なスピードでの少子高齢化は、大きな転換点を迫られている。そんな中にあっても、希望を失わず明るい年になることを期待したい。
日本チェーンストア協会 会長 清水 信次 氏
日本スーパーマーケット協会 会長 川野 幸夫 氏
(社)日本ショッピングセンター協会 会長 越村 敏昭 氏
インフラ整備を完了し出店攻勢かける
マルエツ代表取締役社長 高橋 惠三 氏
昨年の開設件数は54SC、閉鎖は12SC
上質さらに深めた都市型小型SM、対面と催事を重視した住宅立地店舗
イトーヨーカドー食品館高井戸店
実演と試食強化した3店目の実験店、自社開発のSC内で広域集客見込む
サミットストア横浜岡野店
商業施設の核店舗として、SMとHCの複合店を営業開始
スーパーバリュー国立店
気温高く、鍋もの、衣料不調でGMS、SM苦戦
コンビニは好調、東北地区は復興で好調
痒いところまで手が届く、サービスが心憎い
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