東急ストアは中目黒店を2月28日に全面改装し、旗艦店として東急ストア中目黒本店をオープンした。今年1月中旬から1ヵ月強の改装工事期間を経て地下1階と地上1階の2フロアを大幅変更。「For Your Pantry」(あなたのための食品収納庫)をコンセプトに店作りを行う。同社はこの2年間に行った新店や改装店で、素材と惣菜型の2つのゾーンに区分けし、視認性を高めた、買い易い売場づくりを進めてきたが、今回の中目黒本店はその考えを集大成した。充実したデリカとワインをクロスMDで提案し、素材系ではカレーやイタリアン、韓国の各コンセプトコーナーを設置。変化していく食生活に対応する。
今年も既存店のリモデルに力を入れていく東急ストア。東急沿線を中心に店舗展開している同社は、駅改札前という好立地のドル箱店を数多く抱えており、既存店の売場をリニューアルして買い易い売場にすると効果覿面(てきめん)。改装後は改装前の10%の売上アップも可能となる。
同社は2010年9月にオープンした武蔵小山駅ビル店で素材と惣菜の2つのゾーンに大きく分けた買い易い売場を開始し、昨年5月には既存のGMSを業態変更して「フレルさぎ沼店」と「フレルウィズ自由が丘店」としたが、食品売場の考え方は武蔵小山駅ビル店とほぼ同じ。昨年9月には蒲田店、10月には大岡山店と菊名店を相次いで改装オープンさせたが、売場の視認性を良くして客の目線に合わせた店へと変更したという点では共通している。
同社の中目黒本社に隣接している「東急ストア中目黒本店」は地下1階と地上1階の2フロアの展開。地上1階に集中レジを配置し、デリカとワインを中心とした酒売場を集めて食の提案を行う。この他にパンやスイーツ、菓子、飲料も集めた。地下1階では素材系の食品を揃え、生鮮3品、和日配、調味料、日用雑貨、医薬品、化粧品、実用衣料を販売。精肉売場の中にミート惣菜、鮮魚売場の中で魚惣菜も取り扱う。さらに日本人のメニューの定番となっているカレーやイタリアン、韓国の食材を集めた各コーナーを配置している。
東急ストアは「笑顔あふれる“街の冷蔵庫”」として客のニーズ・ウォンツに対応できるように、店舗づくりを進めていく。社内イントラネットを使って、中目黒本店の売場の動画が、他の92店に配信されるシステムも導入。実際に社員及び取引先に店を視察してもらうことで、東急ストアの売場の考え方を理解してもらい、社員のコンセンサスづくり、メーカーの新商品やメニュー提案を含めた売場づくりを進める。中目黒本店が情報発信基地としての役割を担い、同店を基準として全店に様々な形で水平展開していく方針だ。
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