寒ブリやタラ、アンコウといった大型魚がトロ箱に並ぶ。店内の水槽では越前ガニや毛ガニが足を伸ばして買い手を待っている――四季を通じて魚種が豊富な富山湾で捕れる鮮魚を中心に、プロの調理人が足を運ぶスーパーが富山県高岡市にある。売場面積825uの「フレッシュ佐武・昭和町店」がその店舗だ。鮮魚の担当者が毎朝、近くの氷見や新湊漁港に出向き、セリ人と連携して希望の鮮魚を仕入れている。鮮度維持が完璧なので午後から捌いても鮮度は維持されている。他の生鮮品、惣菜、食料品なども全て「こだわり品」で統一、富山市内をはじめ、名古屋、長野など遠来の客に人気の有名店だ。
例年になく雪が降り積もった北陸地方。金沢と富山の中間地点にある富山県高岡市も例外ではなかった。桜の便りにはまだしばらくかかるが、人口17.5万人の落ち着いた城下町に「こだわりスーパーの原点」のような店舗があるというので、取材に訪れた。
駅前の目抜き通りを車で10分もかからない距離の昭和町バス停前にその店舗はあった。ちょっと古びてはいるが、三角屋根に「フレッシュ佐武」の看板がかかっている。町のどこにでもあるスーパー? と思いきや、そんな思いはすぐに吹き飛んだ。手書きのPOPに一品一品、丁寧な商品の口上がしたためられている。専門用語では「コトPOP」というが、そのオンパレードが続く。
売場左手奥にある「鮮魚コーナー」は同店最大の売場だ。ここはPOPが少ない。鮮度は見ての通り、折り紙付きという売場だ。年の瀬などは人、人で身動きができなくなる。脂が乗った氷見産の寒ブリが600本も出るという超繁盛店だ。売場面積800uあまりで年間16億円を売るという。
魚は同店から10qほど離れた氷見と近隣の新湊漁港から鮮魚担当者が毎日セリに出向いて、仕入れてくる。セリに参加はできないものの、専属の業者とのパイプがあるので、直接競り落としているのと変わらない。定置網で獲る氷見産のブリで代表されるブランド鮮魚は、船上での魚の締め方と氷をふんだんに使う処理や丁寧な輸送方法が徹底しているから、よそのものとは格が違う。
フレッシュ佐武は、その品質を店頭で販売するまで一貫して維持させるため、同じように氷を大量に使い、冷塩水処理も徹底。若手からベテランまで社員8人、パートタイマー2人の10人態勢で切り盛りしている。 (8〜11ページに関連記事)
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