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No.690-4/23

岩手のジョイスがアークス傘下に

No.690号

   岩手県を中心にSMをドミナント展開するジョイスがアークスと経営統合すると4月16日発表。両社は今年9月1日に株式交換による経営統合を行う。アークスはグループ運営の基本方針として「八ヶ岳連峰経営」を掲げており、これまでに帯広の福原や旭川のふじなどを完全子会社化。昨年10月には北海道にとどまらず、青森のユニバースを完全子会社化している。アークス、福原、ふじ、ユニバース、ジョイス。いずれもCGC加盟企業。アークス横山社長と各企業の社長が意気投合して経営統合している。M&Aによって積極的に拡大戦略を進めるアークスグループの今後の動きに目が離せない状況だ。


八ヶ岳連峰経営のアークス


  ジョイスが9月1日にアークス傘下に入ると4月16日発表。アークスは昨年6月にユニバースとの経営統合を発表し、10月にユニバースを完全子会社化したばかり。これまで福原やふじといった道内SMと経営統合を進めてきたが、昨年から道内を越えて東北のSMチェーンも傘下に取り込み始めた。


  同グループは今回のジョイスも含め北海道・東北に拠点を置くSM10社と他の事業会社3社を擁する。持株会社のアークスがグループ全体の戦略を立案し、各事業会社の親会社として各社の株式を保有。「八ヶ岳連峰経営」をグループ運営の基本方針とする。2002年にラルズと福原の経営統合を皮切りにアークスを設立。2004年に道南ラルズとふじ、2009年に東光ストア(旧・札幌東急ストア)がグループ入りし、2010年度決算で年商3,000億円の大台を突破した。昨年、年商1,000億円のユニバース、今年は年商370億円のジョイスと経営統合。今年度の連結業績予想では年商4,200億円、営業利益135億円、経常利益145億円、当期純利益73億円を見込む。


  「我々にとってはうれしい限り」とジョイスのグループ入りを素直に喜ぶアークス横山清社長。業界全体は「価格競争を含め今後も果てしない戦いが続くが、利益なき繁栄はありえない。その地域のシェアを握ることで勝ち残れる。今は底なし沼のような安売り競争となっているが、おそらくもう少しすれば底が見えてくる」(横山社長)。「昨年11月からどちらからともなく話し合いが始まり、(アークス入りを)決断したのは3月下旬〜4月上旬にかけて」と説明するジョイス小苅米秀樹社長。決断にあたって、「単独での経営も含めて様々な選択肢があった」とし、大手流通グループ傘下入りの検討も否定しなかった。


  少子高齢化を迎えて地方はどんどんと人口が減り、高齢者の割合が圧倒的に大きくなっている。流通業界も今後、激変が予想され、淘汰と寡占化は間違いなく進む。「弱肉強食ともいえる業界再編は待ったなしの状況。どこがリーダーシップをとるのかは、今まで以上に重要になってくる。今のアークスは2年前のアークスではない。今後もアークスの変貌が発展に繋がる」と横山社長。


今週の目次




流通羅針盤

電力料金値上げを見越した省エネ対策活発化


今週の業界トピックス

ライフコーポレーション 首都圏と近畿圏で各200店とし、年商8,000億円目指す
Olympic 都内でSM10店展開するカズンを子会社化
サークルKサンクス 2016年には生鮮・カウンターフーズ強化型で1,000店体制を目指す
新東名高速道路開通 高速道路内のSC化が進む


2012年度開店予定店舗A


今週の開店情報


SJ決算レポート(GMS篇)

営業・経常の増益は全社で、増収が4社
 消費電力削減で大幅に利益改善


SJ新店レポート

首都圏100店目。10年後の200店体制の布石となるSSM
 ライフ落合南長崎駅前店
グループ百貨店の1階店舗に入居得意の「ハピーズ業態」で挑戦
 天満屋ストア ハピーズアルネ津山店


SJ衛生関連・現場レポートA

流通人に必要な最低限の「食品衛生知識」を知っておこう


健康サポートの強化徹底 大塚製薬の「栄養+医薬」戦略24

地道な活動で伸ばす革新的で創造性に富む開発製品


非縁社会のぬくもり・17 小澤信夫

サンフランシスコのメーシー百貨店とノードストローム百貨店の顧客のニーズをつかんだサービス


業界動向 森永乳業、伊藤ハム

さらなる需要喚起で2大トップブランドが大型販促を実施


食品マーケティング

<2012年市販用冷食、上期販促強化最前線>
 マルハニチロ食品、食卓用の麺類、米飯、おかずメニューへ
 *急速に配荷率アップの「横浜たんめん」
 *えびが素材の惣菜も強化品目


今週の大店立地法公示速報


交差点

スカイツリーの集客と安全



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