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No.705-8/13

震災復興のシンボルとしてアピタ佐原東店を建て替えたユニー

No.705号

  昨年3月11日(金)の東日本大震災によって被害にあった小売店は数多い。ユニーも茨城県の「アピタ佐原東店」、埼玉県の「アピタ岩槻店」、栃木県の「アピタ足利店」の3店で地震の被害にあったが、最も損傷の大きかった佐原東店は昨年6月26日に完全建て替えのために一時閉店。今回、新生アピタ佐原東店として、8月3日(金)に再オープンを果たした。新佐原東店では、地震による液状化の影響を受けない構造に設計・建設され、ワイン売場では陳列棚の上部から震度4以上の揺れで落下防止用バーが自動的に落ちてくる仕組みを導入。地震に際して落下物の防止を考えた工夫を売場で実施している。


震災後の店作り


  旧アピタ佐原東店は1999年11月に営業開始し茨城県稲敷市周辺の住民に13年間親しまれてきた。昨年3月11日の東日本大震災による建物損傷で閉鎖を余儀なくされ、昨年6月26日に完全建て替えによる営業再開に向けて一時閉店した(隣接しているショッピングセンターのパルナの専門店街は営業継続したまま)。


  旧佐原東店の建物損壊の被害額は7億円、停電による生鮮食品などの廃棄損が300万円、建物の解体費用が3,000万円だった。今回の新佐原東店の総投資額は16億円(土地は賃貸)。新アピタ店は旧店よりも売場が2割減の1万1,163uとなったが、旧店に比べ新店では通路幅を広げて回遊性を出し、コンパクトで適正な売場構成とした。


  年商目標は35億円と旧店と同じ水準。直営の年商が27億円で、内訳は食品が12億5,000万円、衣料品が8億円、住居関連品が6億5,000万円を見込み、テナント部分は8億円と想定している。店舗周辺の1q以内には1,000人しか住んでいないため、週末を中心に広域から集客する展開を進める。従来から50代以上の高齢者の利用が多かった店だが、今回の新設に合わせて20〜30代の客をターゲットとした魅力あるSCとした。競合するGMSはイオンの2店(成田店と鹿嶋店)だが、両店とも距離的にはかなり離れている。「客数がバロメーターであり、遠くからも来店してもらえるような展開を目指す」とユニー佐古則男専務・営業統括本部長。以前の店とはガラッと変えて、オシャレで楽しく、新しい発見のある店とした。店のテーマに「いいこと、つながる。アピタちょっといい毎日」を掲げる。食品では個食から大家族用の大容量品まで幅広く揃え、簡便商品も数多く取り扱う。


  ユニーでは東日本大震災の影響を受けて、開業後30年以上を経過し老朽化した店舗の建て替えを今後5年間かけて合計32店で実施中だ。耐震性や販売効率を高め、将来の地震にも備えた店舗展開を進めている。


今週の目次




今週の業界トピックス

いなげや 都内の高級SM、三浦屋の全株式を取得し子会社化
関西スーパーマーケット スーパーナショナルと業務提携
西友 福島県産青果物の安全性をPRするイベントを都内で実施
ハローズ エコセンターを自社物流センター内に新設し9月稼動
明治屋 簡単に開けられるプラスチック製新容器のコンビーフを9月発売


今週の開店情報


チェーンストア進化のベクトル1 浜本MD研究室 浜本 經道

「利は分類にあり」
 なぜ、総合スーパーは不振に陥ったか


SJ新店レポート

リーチインの揚物バイキング初導入、650坪の新規MD型
 サミットストア井土ヶ谷店
居住人口が増え、年間1,000万人が訪れる観光地立地での高質SM
 セルバ河口湖BELL店
出店攻勢加速、今年3店目は2フロアのワンストップショッピング店舗
 西友行田佐間店


市場は商品で活性する 飲料と健康食

 森永乳業がリプトン紙パックシリーズ2品
 大塚食品 マイサイズシリーズに「ハヤシ」


企業動向

 日本アクセス、恒例の総合展示商談会を開催


食品マーケティング 2012年下期、冷食・新商品発売動向(続編)

*テーブルマーク、主食メニュー基本に簡便性追求
*ケイエス冷食、「弁当向け」「卓上向け」の並行開発へ
*日清フーズレギュラーの「大盛り」〜「生パスタ」多様化


非縁社会のぬくもり・24 小澤信夫

スーパーマーケットのレジに並んでいた主婦が
 子供連れの若いお父さんに「どうぞ」と順番を譲った


今週の大店立地法公示速報


交差点

大義は霧散霧消の先生方



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