昨年3月11日(金)の東日本大震災によって被害にあった小売店は数多い。ユニーも茨城県の「アピタ佐原東店」、埼玉県の「アピタ岩槻店」、栃木県の「アピタ足利店」の3店で地震の被害にあったが、最も損傷の大きかった佐原東店は昨年6月26日に完全建て替えのために一時閉店。今回、新生アピタ佐原東店として、8月3日(金)に再オープンを果たした。新佐原東店では、地震による液状化の影響を受けない構造に設計・建設され、ワイン売場では陳列棚の上部から震度4以上の揺れで落下防止用バーが自動的に落ちてくる仕組みを導入。地震に際して落下物の防止を考えた工夫を売場で実施している。
旧アピタ佐原東店は1999年11月に営業開始し茨城県稲敷市周辺の住民に13年間親しまれてきた。昨年3月11日の東日本大震災による建物損傷で閉鎖を余儀なくされ、昨年6月26日に完全建て替えによる営業再開に向けて一時閉店した(隣接しているショッピングセンターのパルナの専門店街は営業継続したまま)。
旧佐原東店の建物損壊の被害額は7億円、停電による生鮮食品などの廃棄損が300万円、建物の解体費用が3,000万円だった。今回の新佐原東店の総投資額は16億円(土地は賃貸)。新アピタ店は旧店よりも売場が2割減の1万1,163uとなったが、旧店に比べ新店では通路幅を広げて回遊性を出し、コンパクトで適正な売場構成とした。
年商目標は35億円と旧店と同じ水準。直営の年商が27億円で、内訳は食品が12億5,000万円、衣料品が8億円、住居関連品が6億5,000万円を見込み、テナント部分は8億円と想定している。店舗周辺の1q以内には1,000人しか住んでいないため、週末を中心に広域から集客する展開を進める。従来から50代以上の高齢者の利用が多かった店だが、今回の新設に合わせて20〜30代の客をターゲットとした魅力あるSCとした。競合するGMSはイオンの2店(成田店と鹿嶋店)だが、両店とも距離的にはかなり離れている。「客数がバロメーターであり、遠くからも来店してもらえるような展開を目指す」とユニー佐古則男専務・営業統括本部長。以前の店とはガラッと変えて、オシャレで楽しく、新しい発見のある店とした。店のテーマに「いいこと、つながる。アピタちょっといい毎日」を掲げる。食品では個食から大家族用の大容量品まで幅広く揃え、簡便商品も数多く取り扱う。
ユニーでは東日本大震災の影響を受けて、開業後30年以上を経過し老朽化した店舗の建て替えを今後5年間かけて合計32店で実施中だ。耐震性や販売効率を高め、将来の地震にも備えた店舗展開を進めている。
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